【ソウル発】移動通信キャリアのKTFは、世界で初めてグローバル携帯電話決済サービスの実証実験に成功した。サービスが商用化されれば、3G携帯を利用するKTF加入者は国際ローミングが使える自分の携帯電話のままで、海外のレストランやショップ、列車の中で代金を手軽に安全に決済できるようになる。

 同社のサービスはNFCチップを利用して携帯電話端末に内蔵されたUICC(ICカード)にアクセスできるようしたもので、2007年10月にETSI(ヨーロッパ電気通信標準協会)により標準として採択されたシングルワイアープロトコルをサポートしている。

 KTFのPay-By-MobileはNFC(近距離無線通信)と携帯電話端末のUSIM(加入者認証モジュール)をつなげ10M以内にある端末と家電製品間のデータ交換を支援する。NFCチップは非積極型決済システムと交信し、携帯電話によるクレジットカードおよび現金決済を安全に行える。音声サービスと異なりモバイル決済の場合、国家別にプラットフォームが違うため、モバイル決済対応端末でも海外では決済できなかった。韓国の場合、今回はNFC方式で実証テストを行ったが、国内向けにはコンビ方式を採用している。KTFはNFC方式を採択して付加サービスとしては初めてグローバルローミングに成功したことになる。

 KTFの世界初モバイル決済実証テストにはマスターカードと三星電子、LG電子が参加した。韓国、台湾、米国の小売店でNFC機能を取り揃えた携帯電話と非接触型リーダー機を利用して代金を支払った。マスターカードのPAYPASSアプリケーションと韓国信韓銀行のクレジットカードアプリケーションをLG電子と三星電子が提供した携帯電話端末に内蔵されたKTFのUICCにダウンロードし、各国の小売店にはNFCインターフェースを支援しマスターカードのPAYPASSアプリケーションを読み込むリーダー機を設置して実際に決済を行った。

 セルラー社が調査を行ったところ、調査に応じた10か国250人の販売業者の50%は携帯電話決済サービスが新しい販促ツールになると考えていた。KTFは3G端末の普及が加速されていることから、クレジットカードの30%ほどがモバイル決済用に使われるだろうと展望している。

 マカオの「モバイルアジアコングレス」会場でKTFは「世界で初めてグローバルモバイル決済の実証サービスに成功したことを嬉しく思う。各国で個別に行われているモバイルペイメントが国際規格によって世界で自分の携帯電話のまま決済できることになれば、消費者も販売者にもメリットが生じる。グローバルローミングの範囲が音声やSMS(ショート・メッセージ・サービス)を乗り越えて付加サービスにまで拡大されたことに大きな意味がある」とし、AT&Tも「2005年の大規模な非接触型決済サービスの実証実験に参加した北米初の通信業者として、モバイル決済サービスを普及させるためには、広範囲な事業者の参加が必要であることがわかった。モバイル決済の国際標準確立に役立ちたい」と述べた。
 趙章恩(チョウ・チャンウン=ITジャーナリスト)