医療や航空管制に注力

 ディスプレイメーカーのナナオ(実盛祥隆社長)は、業種展開を加速させる。医療や航空管制向けのモニター製品の品揃えを拡充。従来のプロ向けグラフィック用途に加えて、特定業種でのシェア拡大を進めることで競争力を高め、収益拡大に結びつける。本社を置く石川県に研究開発棟を増設するなどの設備投資やM&A(企業の合併・買収)を積極的に行っており、付加価値の向上に努める。

 航空管制向け高解像度グラフィックボードなどを開発する米企業や医療向けの特殊なディスプレイを製造する事業を独シーメンスから買収するなどのM&Aを積極展開する。研究開発棟も総工費約25億円で昨年3月に竣工。主なM&Aと研究開発棟関連の投資額だけでおよそ100億円を昨年1年間で投じた。ナナオはもともとハイエンドのパソコン用ディスプレイで業績を伸ばしてきた。航空管制や医療向けでも付加価値の高い製品を投入し、「ビジネス拡大を狙う」(実盛社長)考えだ。

 医療向けでは静止画像を表示するディスプレイ技術は従来から得意としていた。だが、映像や防滴などの技術が不足。関連する事業を昨年10月にシーメンスから譲り受けることで競争力を高める。航空管制用では特殊な高解像度のグラフィックボードの技術を持つ米テックソースを昨年2月に買収。これにより航空管制に使う各種ディスプレイの主要部分を自社製品でカバーできるようになる見通しだ。

 今回のM&Aで医療関連の年商規模はおよそ200億円規模に増える見通し。今後数年かけて製品ラインアップを増やすなどして同300億円程度に拡大させる方針。航空管制分野は医療よりもさらに専門特化した分野で、競争相手も限られる。集中的に投資を行っていくことで早い段階での「シェア拡大が可能」と手応えを感じている。

 プロ向けのグラフィック用途や医療、航空管制で着実にシェアを獲得することで自社ブランド“EIZO”の価値を向上させ、一般向けのハイエンドディスプレイでも有利にビジネスを展開する。 こうした取り組みによって、今年度(08年3月期)の連結売上高は前年度比7.7%増の1030億円、営業利益は同3.0%増の120億円を見込む。