日立製作所(古川一夫社長)は、子会社の日立湘南ビジネスサービス(常友勝社長)と神奈川ハイテクサービス(高久進社長)を4月1日に合併、ICT(情報通信技術)分野の付帯サービス事業を手がける「日立ICTビジネスサービス」を設立する。両社の業務ノウハウや技術力を融合させ、情報インフラやオフィス環境整備についてのサポート・サービス事業を拡大するのが狙いだ。

 4月1日付で設立される新会社は、日立湘南ビジネスサービスの親会社である日立製作所が70%、神奈川ハイテクサービスの親会社である日立情報通信エンジニアリングが30%の出資比率で、従業員は1000人規模となる。社長には、日立湘南の現・社長である常友勝氏が就任。常友氏は、「2社合算で110億円程度の売上規模を2010年度(11年3月期)に120億円まで引き上げる。近い将来には200億円規模を目指す」としている。

 新会社の事業内容は、情報システムやネットワーク構築・運用保守を行う「ICT支援サービス」、受注手配や一般管理業務などを請け負う「生産支援サービス」、情報通信機器のリサイクル・リユースを中心とした「環境支援サービス」の3つが柱。常友氏は、「両社が手がけているビジネスが非常によく似ているため、シナジー効果を発揮できる」としている。加えて、両社とも神奈川県を本拠地として日立グループ関連からの請け負いで県内のユーザー企業に対してサービスを提供してきたことから、「地域密着をさらに徹底させ、新会社を通じて新規顧客を開拓するといった効果も出てくるのではないか」とみている。なかでも神奈川県の中堅・中小企業に対しては、ICTを利用したサポートサービスの提供強化が図れるとしている。

 最近では、情報システムと回線を中心としたネットワークインフラをワンストップで提供する傾向が高まりつつある。システムインテグレーション(SI)とネットワークインテグレーション(NI)の両方を手がけられるベンダーが市場を制する可能性も高く、SIとNIの融合ビジネスを手がけるために業界では再編が続いている。

 こうした状況のなかで、日立グループでは情報通信分野に付帯するサポート子会社を統合することでSIとNIの融合ビジネス確立に向けた基盤整備を図っている。さらには、神奈川県をビジネスの中心とする両社を合併させることで、地域密着を切り口にユーザー企業とのパイプをより太くすることも期待できる。

 「将来的に、神奈川県だけでなく関東全域、あるいはそれ以外の地域でもサービス提供するなど、徐々にビジネスの幅を広げていきたい」(常友氏)考えを示していることからも、新会社でビジネスモデルを構築しようとしている構想が垣間見える。