米マイクロソフトのビル・ゲイツ会長が来日し、5月7日に記者会見を開いた。会見でゲイツ会長は5月3日に発表した米ヤフーの買収断念について「ヤフーと対話する努力はしたが、それぞれ独立して方向性を追求することになった」と述べた。また、今後のコンピュータの方向性について「コンピュータはまだ発展途中。これからは特にコンピュータの操作方法で革新が進む」との見方を示した。会見でのおもな質疑応答のやりとりは以下のとおり。

――ヤフー買収を断念したのはなぜか

 「我われはヤフーとの対話のために相当な努力をしたが、結局はそれぞれ独立した努力をしていこうということになった。オンライン検索や広告などで協力するという考えもあったが、スティーブ・バルマーCEOを中心にマイクロソフトとしては独立した戦略に集中することにした」

――ヤフー買収断念でグーグル追撃の戦略に影響はあるのか

 「グーグルは多くの国で検索サービスで大きなシェアを持っているが、検索はこれからも技術革新が続く。我われはソフトの技術でグーグルと競争していくつもりだ。広告主にテクノロジーで提案していく。来月には米国で検索サービスの次のバージョンを公開する予定だ」

――北米のPC市場は成長しているが、日本は横ばい状態だ。マイクロソフトとしては市場拡大のためどんな手を打っていくのか

 「日本のパソコン市場は巨大な市場だが、若者、特に学生のパソコン使用率が低い。大学ではカリキュラムのオンライン化が遅く、教科書の代わりにオンラインの情報を使う授業などが他の国よりも普及していない。ネットの接続ができない学校もある。我われとしては学校のオンライン接続を促進し、画面を読み取ることが紙を読むことと同じようにしていきたい」

――Windows Vista以降のOSの開発予定はどうなっている

 「一生懸命やっている。『Windows 7』というコードネームで開発しているが、出荷日は未定で、今はパートナーと調整している最中だ。Windowsでやることはまだまだあり、期待をしている」

――これからのコンピュータはどうなっていくのか

 「これからは人とコンピュータとのやり取りの部分で技術革新が進むだろう。キーボードは残るが、デスクの表面を触るとか、ホワイトボードを使うとか、音声で操作するといった自然なインターフェイスにコンピュータが変わっていく。それを実現できるのはソフトウェアのマジックだ。我われはここ10年間ソフトウェアに投資してきたし、インターフェイスに集中した投資をこれからも続ける」

――7月に会長職には留まるもののマイクロソフトの経営の第一線から退くが、自身の立場はどう変わるのか

 「7月1日は私のキャリアが変化する日だ。私は17歳からフルタイムでマイクロソフトの仕事をしてきた。今はマイクロソフトがフルタイムの仕事、ビルアンドメリンダゲイツ財団の仕事がパートタイムだが、これからは財団がフルタイム、マイクロソフトの仕事がパートタイムになる。こういう変化は以前から計画していた」