キヤノンITソリューションズ(キヤノンITS、武井尭社長)は、セキュリティ事業の体制強化に乗り出す。大企業向けのセキュリティシステムの構築能力を高めると同時に、中堅・中小企業向けのアプライアンス製品やASPなどオンラインサービスメニューの拡充を図る。

 中堅企業向けやビジネスパートナー経由での販売は順調だったが、大規模システムや中小企業向けはこれまで手薄になる傾向がみられた。販売ターゲットを拡大させることで売上増大につなげる。

 同社は、独自に開発した情報漏えい対策セキュリティ製品の「GUARDIAN(ガーディアン)」シリーズや、国内外から調達した各種の有力セキュリティ製品を揃える。企業の情報セキュリティに必要な製品群は、ほぼ網羅しているのが強みだ。

 取り扱い製品は、自社の販売ルートだけでなく、ビジネスパートナー経由でも積極的に販売しており、SIerとしては珍しく“セキュリティ製品ベンダー”に近い位置づけにいる。

 だが、セキュリティに専業特化するISVや同業ライバルのSIerとの競争は激しさを増している。こうしたなか、販売ターゲットを広げることで成長を持続させる考え。キヤノンITSは、旧キヤノンシステムソリューションズと旧アルゴ21が今年4月に経営統合して発足。統合によって大規模システムの構築能力を大幅に高めた。セキュリティ事業についても、これまで十分に対応できていなかった「大規模システムへの個別のSIにも取り組む」(稲田清崇・執行役員セキュリティ事業部長)と、SIerとしての総合力を存分に生かす。

 大規模案件への対応を積極化する一方、中小企業向けの施策も強化する。セキュリティ商材とハードウェアを一体化したアプライアンス製品の品揃えを増やすとともに、ASPやSaaSといったオンデマンドサービス型の商材を拡充。アプライアンスやサービス型は個別のシステム構築が伴わないため売りやすい。「中小企業向けの販売に適した商材を増やす」ことで、ビジネスのすそ野を広げる。親会社のキヤノンマーケティングジャパングループやビジネスパートナーの販売網を駆使して幅広く売り込む。

 昨年度(2007年12月期)の同社セキュリティ事業は前年度比およそ10%成長している。今年度も商材や売り方の多角化を進めることで同様の成長を目指す。