システム開発の富士通ビー・エス・シー(富士通BSC、兼子孝夫社長)は、自社商品・サービスの開発・販売ビジネスを中期的な成長領域として営業強化する。情報漏えい対策ソフトやモバイル端末向けソフト開発ツールなどがそれに当たる。従来から強みとする通信事業者向けシステムや組み込みソフトの開発事業を継続強化しながらも、利益率が高いパッケージソフトやサービスなどの自社商品・サービスの拡販体制を構築する。

 富士通BSCは、富士通グループのシステム開発会社で通信事業者向けシステムと携帯電話や自動車用などの組み込みソフト開発に強い。両事業部門で全売上高の56.7%を占める(2008年3月期連結)。昨年度連結業績は、組み込みソフト事業が開発案件の減少で昨年度比1.6%減収だったものの、得意分野の通信事業者向けシステム開発などが好調で3期連続増収、4期連続増益と好結果だった。

 ただ、兼子社長は今後の成長分野は従来路線の踏襲ではなく、自社商品・サービス事業だとしている。「過去の増収増益はシステム開発手法・体制の見直しによる原価率の低減効果、不採算案件の撲滅が大きい。原価率は現段階で高水準にあり赤字案件もない。こうした状況をみれば、これから先に劇的に原価率を下げて利益を上げるのは難しい」とみているからだ。そこで、売り上げ規模は全体の9.5%(昨年度実績)と小さいものの利益率が高い自社商品・プロダクトの販売を中長期的な観点で強化することにした。

 同社が拡販を図る商品・サービスは、情報漏えい対策ソフト「FENCE」とデータ処理の高速エンジンツール「Oh─Pa 1/3」、スマートフォン向けアプリ開発ツール「MobileUnity」。

 「FENCE」は、PCや情報システムからの情報漏えいを防ぐためのアクセス制御や外部メディアの利用制限、データ暗号化を施すセキュリティソフトシリーズで、昨年度は関連サービスも含めて7億6600万円を売り上げた。ここ数年は競合製品に押されて売り上げは減少傾向だったが、今年度は自社の営業担当者だけでなく、富士通本社やグループ会社が販売する体制を整備しており、売上高10億円を目指す。

 一方、「Oh─Pa 1/3」は、大量データのバッチ処理や大規模なデータウェアハウスなど大量のデータを計算処理するためのツールで昨年度実績は2億700万円。これも「FENCE」同様に富士通本社との連携による販路拡大とともに、国内だけでなく中国市場でも販売することで今年度8億2700万円まで売り上げを伸ばす計画だ。