業務ソフトウェア業界で、競合他社に先駆けて主力製品のSaaS(Software as a Service)型サービスを発売したピー・シー・エー(PCA、水谷学社長)の会計SaaSが動き始めた。8月下旬に販売管理と仕入・在庫管理がサービスインして、5月に公表したSaaSのラインアップが出揃ったことで、受注が加速する見通しという。同社では、長期的には保守契約を交わしている既存顧客(約17万5000ユーザー)の半数がSaaS型サービスへ移行すると予測しており、今後3年間で1万ユーザーの獲得を目指す。
PCAは今年5月19日、中堅・中小企業向け会計ソフトなどを主力とする業務ソフトベンダーで初めて、SaaS型サービス「PCA for SaaS」の提供を開始した。製品としてはまず、会計、給与、公益法人会計を6月までにリリース。8月25日には、リリースが予定より1─2か月遅れて、販売管理「商魂」と仕入・在庫管理「商管」の2製品を発売した。
「PCA for SaaS」は、同社が自前でデータセンターを借りて運用し、ブレードサーバー5台で構成したシステムである。当初はシステムのパフォーマンスを考慮して、160社限定で利用者を募る。水谷社長は「会計SaaSを希望する顧客は、それと一緒に販売管理を利用したいとの要望が強い。8月下旬に販売管理がサービスインしたことで、受注が急速に増加するだろう」として、早期に160社に到達すると見込んでいる。