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インターコム 引き合い2倍に IT統制に需要増

2008/09/29 21:08

週刊BCN 2008年09月29日vol.1253掲載

 インターコム(高橋啓介社長)のIT統制管理「MaLion(マリオン)」への引き合いが昨年に比べて2倍に増えている。今年5月に発表し、8月末に販売を始めた新バージョン2.0への関心の高さを示すものだ。情報漏えい対策や内部統制強化の需要が高まるなか、標準で装備する機能を増やし、ライバル他社に比べて割安な価格設定をしたことが引き合い増につながった。今後は販売パートナー網を拡充するなどして実売増を目指す。

 MaLion2.0では、情報漏えい対策やIT資産管理、内部統制強化などの機能を標準で採り入れ、参考価格ベースで100クライアント税込み105万円で売り出す。ユーザー企業への納入・システム構築も簡易に行えるようにするなどして、従来のライバル他社の同種システムより最終的な価格が半分から3分の1に抑えられるようにした。

 標準機能では、ネットワークやアプリケーション、電子メール、ウェブアクセスなどの監視、ユーザーIDやIT資産管理、ログ分析やレポートなどIT統制に必要な機能を「ほぼフルラインアップで標準装備」(橋祐二・情報セキュリティシステム事業部長代理)した。通常の電子メールだけでなく、GoogleのGmailなどウェブメールの監視にも対応するなど、競合他社の一部がオプション(別売)にしている機能も標準で盛り込んだ。

 製品機能の多さや割安な価格設定がユーザー企業から評価され、バージョン2.0の発表後の引き合いは、9月中旬の時点ですでに前年の2倍に増加。SIerなどのビジネスパートナーやユーザー企業向けのセミナーも開催しており、5月の製品発表から約4か月で累計30社余りが参加。出荷を始めた8月末以降は、セミナー開催の問い合わせ件数の増加が顕著になっている。

 課題は販売パートナー網をどう拡充させるかだ。大企業・準大手のIT統制需要はほぼ一巡しており、今は中堅・中小企業への納入が活発化。大手との取り引きがある中小企業は、情報漏えい対策や内部統制強化を求められるケースが多いことが背景にある。ただ、母数が多い中小企業に販売するには販売パートナーの協力が不可欠。MaLion2.0の標準機能の多さと競争力ある価格をテコに、販売網の拡充に力を入れる。

 中小企業は価格に敏感である傾向が強いだけに、競争力あるMaLion2.0の取り扱いを始めたいという「販売パートナーからの引き合いも強い」と手応えを感じている。
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