ISP(インターネット・サービス・プロバイダ)のアットネットホーム、長野県須坂市、CATVの須高ケーブルテレビは共同で、市営動物園内に設置したライブカメラの映像を配信するバーチャル動物園「デジタルアニマルパーク」のコンテンツを携帯電話とPC利用者に提供を開始した。ケーブルインターネット会員限定に配信していたコンテンツを、世界で初めてリアルタイムにオープンコンテンツとして配信。同市や動物園の認知度や入場者アップ、ISPとCATVの新たな広告獲得を目指す。地域と大都市の経済格差が広がるなかで、「地域資産をキラーコンテンツにして世界に情報発信し、地域活性化を狙う」(三木正夫市長)と、さまざまな経済効果に期待を高めている。

 「デジタルアニマルパーク」は、2005年3月に全国初のバーチャル動物園として3者の協業プロジェクトで開設された。CATVが持つインフラと地元密着の取材力にインターネットを融合させ、ISPのアットネットホームが全国約400のCATV事業者に新たなコンテンツ形態として提供し人気を博していた。これにより全国に知られるようになり、須坂市動物園の入園者は、3年間で3.2倍の約23万人に増える効果をもたらした。

 しかし、昨年からは「入場者やアクセス数が“踊り場”に差し掛かった」(丸山康照・須高ケーブルネットワーク社長)。このため、CATVの新たな収益源を模索するため、携帯電話やパソコン環境で見られるコンテンツサイト「動物なにしてる?須坂市動物園てれび」をこのほど公開した。丸山社長は「須坂市動物園のカンガルー『ハッチ』は全国的な人気者になった。この“癒し系”コンテンツで、地域再生に貢献する取り組みにしたい」と、同社ではライブ動画の前後にCMを挿入するシステムを導入し、自社の収益を高められるほか、動物園のファン獲得に繋がると期待する。

 同サイト開設を受け、動物園ではQRコードやFelicaを利用して動物の檻の前に設置したリーダーにタッチするだけで、飼育員の解説を聞けるといった来場者向けのサービスを拡充する。同動物園の小林正和・動物飼育技術員は「全国の多くの動物園が入場者減で存続の危機にある。飼育員が『普通』と思う日常の情報は、大切な地域の宝。これを全国へ発信することで、動物園への興味がさらに高まる」と話す。

 一方、アットネットホームは、同動物園での成功を基に、「全国の動物園や水族館に働きかけ、地元CATVなどと連携して同じようなライブ配信を提供したい」(地平茂一社長)と、平均滞在時間が長い動物系ライブカメラコンテンツ事業を全国展開する計画だ。