NTTデータ(山下徹社長)は、2010年度(11年3月期)をめどに500社以上あるソフト開発の外注先を300社まで絞ることを明らかにした。取引先のなかでも有力パートナーと、より協業強化することが目的。“量より質”を追求していく方針だ。

 外注先について「多ければいいというものではない。効率性や生産性を考えて絞ることを決断した」(山下社長)という。「1年以上前から提言していた」ことから、以前から有力な外注先とのパートナーシップ深耕を進めてきたようだ。また、米国金融不安による最近の先行き不透明な市況感からも「外注比率を高めることには、慎重にならなければならない」としている。

 有力な外注先との協業強化に際して、同社が力を注いでいくのは国際競争力の強化。「お互いがメリットになるようなパートナーシップは、今後も積極的に行っていく」という。委託先を絞る一因には、多数の企業とパートナーシップを継続することが難しいと判断したこともある。また、ユーザー企業に対して「ITを導入することは、コスト削減につながるなどの単純なメリットが多いことを訴えていくばかりでなく、ベンダーがモノづくりを真摯に追求していることも改めて理解してもらう必要がある」とアピールする。ユーザー企業の指示通りにシステムを構築するのではなく、「ベンダー側からも提案していくことを徹底しなければならない」。提案型のシステム案件獲得を強化することでユーザー企業の増加を目指す方針だ。さらに、有力外注先とのパートナーシップ深耕で日本発のソリューションが増えれば、ワールドワイドでの地位が高まり、競合する海外ベンダーとの差別化も図れる。

 今回の判断は、SaaS事業を拡大することにもつながりそうだ。同社ではデータセンターを使ったSaaSサービスの提供を視野に入れており、このほど都内のデータセンターを増強。絞り込んだ外注先を含めてソフト開発力がアップすれば大きなビジネスに変貌する可能性が高い。

 確かに案件が減少すれば外注比率を下げることは重要だ。また実際問題として、厳しい状況のなかで多数の外注先を維持することは最適とはいえないだろう。これまで外注先が増えてきたのは、単純に「ここ数年は人手不足だった」ことが原因だ。

 ただ、絞られた200社に了解をもらうことは困難が予想される。不況であることからも、単に切り捨てるだけではなく支援策を含めた説得材料が必要といえそうだ。