保守・運用サービス会社の富士通エフサス(関根英雄社長)は、自社で運用する情報システムの一部機能を、プライベートクラウド化する。関係会社を含めて約1500台存在するサーバーを約3分の1削減して効率化し、クラウド化後5年間で30%の運用コスト削減する考えだ。狙いは、自社の運用コスト削減だけでなく、将来、クラウドサービスをユーザー企業に販売するため。プライベートクラウド構築・運用ノウハウを蓄積し、サービスメニューの作成や品質向上に役立てる。関根社長がその計画を明らかにした。

関根英雄社長
 富士通エフサスは、情報システムの保守・運用サービスをメインとする企業で、全国をカバーするサービスインフラを武器とする。自社で構築したシステムのほか、富士通やグループ会社、パートナーが構築したシステムの保守・運用業務も請け負う。昨年度(2009年3月期)の売上高は2480億円。ハードの保守サービスは年々減少傾向にあり、「年率8%減少するとみている」(関根社長)。

 顧客の情報システムを遠隔地から監視するサービスなど運用サービス事業が伸びている。最近では、情報システムの企画・設計、構築といった上流工程を強化し、システムのライフサイクル全般を手がけられる体制づくりに力を注いでいる。

 自社システムのプライベートクラウド化は、09年6月にトップに就いた関根社長が計画した。「10年度は新しいビジネスに挑戦する年」(関根社長)と位置づけ、その一つとしてクラウドビジネスに照準を合わせた。クラウドサービス提供に必要なノウハウを蓄積するため、まずは自社システムの一部をクラウド化するに至った。来年度中に実行する。

 それに伴い、新組織も設立する考えだ。クラウドビジネスを立ち上げるための調査・研究などを行う専門チームを立ち上げる狙いで、仮想化技術などクラウド化に効果的なテクノロジーを研究する。

 関根社長は、「今年度は景気後退の影響もあって、次のステップに向けてパワーを蓄積する年。来年度は後半からIT投資が上向くと、期待を込めてそう思っている。回復時期は来年度第2四半期か第3四半期と見ている。富士通エフサスがもつ総合力を武器に、新ビジネスに挑戦する」と抱負を語る。

 クラウドビジネスは親会社の富士通も力を入れる分野ではあるが、クラウドを新たな成長事業の再有力と捉えて経営資源を集中させ、独自にサービス展開する構えだ。(木村剛士)