SIerのDTS(赤羽根靖隆社長)は、向こう3~5年で今期(2010年3月期)連結売上高見通しの2倍近い年商1000億円の達成を目指す。エンドユーザーとの直接取引の拡大に加え、業界最大手のNTTデータのコアパートナーとして選定されたこと、M&A(企業の買収や合併)などをテコに売り上げを増大。「利益率の増加よりも、戦略的な事業規模の拡大を当面重視する」(赤羽根社長)と、規模のメリットを生かす経営戦略を打ち出す。


赤羽根靖隆社長
 同社は、2008年3月期の通期連結売上高が618億円に達し、中期経営計画上では2011年3月期に将来のM&Aの可能性も含めて年商800億円を目指していた。

 だが、金融危機の煽りを受けて計画は未達。今期は08年3月期に比べて約100億円ダウンの518億円の売り上げを見込む。この間、エンドユーザーとの直接取引の割合や技術力の増強に注力。ユーザーから直接受注した割合は今年度上期(09年4~9月期)は、08年3月期上期の約40%に比べて10ポイント余り上回る52.7%に拡大させた。

 さらに、2009年11月にはNTTデータのコアパートナー第1号に選定された。NTTデータは、技術力のあるビジネスパートナーとより深い関係を築く方針を示しており、山下徹・NTTデータ社長は、「DTSの技術力の高さ」を選定理由に挙げる。DTSは11年3月までにソフト開発の高い成熟度合いを示すCMMIレベル5の達成を目指すなど、技術により磨きをかける。

 M&Aを含む資本業務提携では、09年12月にデジタルテクノロジーのSI事業(年商約70億円規模)を譲り受けたり、中国・上海と大連のビジネスパートナー2社に一部出資するなど動きを活発化。中国で約400人規模の開発ボリュームを確保している。新年度(11年3月期)からは再び増収増益基調へと戻し、年商1000億円規模の達成を目指す。(安藤章司)