劇団四季は、7月11日にオープンする劇場「夏」に、チケットレスサービス「劇団四季スマートチケット」を導入する。チケットレスサービスは、興行界で初めての試み。ハードウェアやアプリケーションなどはNECが開発した。

 チケット購入者は、劇団四季の予約サイトで「スマートチケット」を選択することでチケットレスサービスが受けられる。予約時に登録した携帯電話のメールに送付されるQRコードを、観劇当日、エントランスの専用QRリーダにかざせば入場できる。

劇場の入場口に設置するQRリーダー

 新劇場で公開予定の「美女と野獣」でサービスを開始。利用者からは「郵送代が不要で経済的」などという声が寄せられており、サービスは幸先のよいスタートを切っているようだ。

劇場の入り口周辺に設置する「劇団四季チケットATM」

 予約ごとにまとめて発行されるQRコードは、劇場入り口に「劇団四季チケットATM」を設置して分割できるようにする。「一緒に観るはずの人がどうしても開演に間に合わない」という場合は、遅れる同伴者のチケットをATMに預けて先に入場。同伴者が到着した時にATMから自分のチケットを取り出して入場できる仕組み。今回のサービスは、まず「夏」で運用され、要望に応じて順次端末を設置する予定。

 チケットの電子化は、スムーズな入場などのサービス提供が最大の目的だが、加えてチケット流通市場の革新も狙う。興行界では、以前からオークションでの多額のチケット譲渡が問題視されており、打開策が求められていた。ただ、「チケットを購入したが観劇できなくなった」などのチケット購入者がいたことから、これまでなかなか踏み切れなかったという事情がある。

 今回のチケットデータ完全電子化に伴い、劇団四季では「チケット譲渡システム」を今年11月に提供することも計画。譲渡の運営を行うことで、不正な譲渡の根絶を狙う。