リアルタイム・バックアップ・アプライアンス「QQR(Quality Quick Recovery Ver.1.0)」を、7月29日に発売したクオリティソフト(浦聖治代表取締役)。韓国市場でも、ローカライズしたQQRを近く発売する予定だ。そこで、ソウル・蚕室(チャムシル)の「ロッテワールド」に近い同社の韓国現地法人クオリティソフト・ソウルを訪ね、新製品発売の経緯などをうかがった。

間もなくリリース、QQR韓国版

 QQRは、データやOSのリアルタイムバックアップとリカバリを実現するアプライアンス。中小企業でも導入できるよう、価格を低く抑えたのが特徴だ。「韓国市場にも、QQRに類似した海外の競合製品が存在する。しかし価格が高く、中小企業には不向き。一方、韓国の国産製品にはオールインワンでバックアップとリカバリを行う製品がないことなどから、競争力があると判断し、販売を決定した」と語るのは、クオリティソフト・ソウルの安仁洙・グローバル・プロダクト・プランニング・マネジャー。

安仁洙グローバル・プロダクト・プランニング・マネジャー

 「日本は品質にうるさい」と安マネジャー。しかし、これが「高い品質を実現する原動力にもなっている」という。とくにバックアップやリカバリを行う製品には高い信頼性が求められるので、「日本製」のイメージは販売するにあたって大きなプラスになるという。また、実績も重要だ。日本でも認められている製品は、韓国市場でも売りやすい。

 最近の韓国のソフトウェア関連市場には、日本の製品が入ってくることがほとんどないという。その意味では大きなチャレンジだ。安マネジャーは、「今後に向けたいい成功事例にしたい」と語った。

速さ最優先の韓国と品質重視の日本

 日本と韓国とでは、ソフトウェア開発に対する姿勢がかなり違うという。両国の現場を知る安マネジャーは、「いい悪いの問題ではないが」と前置きしながら、「韓国では『速さ』が最も重視されるのに対し、日本では『品質』が最も重視される」と話す。

 例えば同じ製品を開発するのにも、日本では韓国の2~3倍の時間がかかってしまう。韓国では、致命的なエラーのない、とりあえず動く製品をまずリリースして、それから顧客からの意見や要望に対処品がら完成度を高めていく、という手法をとる。

 一方、日本ではできるだけエラーのない状態で発売しようとするため、どうしても遅くなってしまう。確かに高品質という点ではいいのだが、時間がかかるということは、その分開発費がかさみ、収益を得るまでの時間もかかることになる。日本製ソフトの品質の高さは誰もが認めるところで、それによる競争力もあるものの、開発スピードの遅さで、販売の好機を失うこともある。

 安マネジャーは「日本企業でも、スピード優先で製品を投入することは可能だと思う」としながら、「やはりユーザーが何を求めるかで変わってくるだろう」と語る。ユーザーそのものの認識が変わらないことには、メーカーが変わるのは難しい。その点、韓国のユーザーは寛容だ。致命的な問題はさておき、小さなバグが出た程度であれば、あまりうるさくは言わない。逆に対処が速ければそれでいいと考える。

 一見、相反する品質とスピード。しかし、両国のよさを組み合わせてうまく生かしていけば、「速くて高品質なソフトウェア開発」が可能になってくるのではないだろうか。