KVMスイッチメーカーのラリタン・ジャパン(クリス・マクファーソン社長兼アジア太平洋地区セールス&マーケティング副社長)は、ユーザー企業のコスト削減意識の高まりが追い風となってデジタルKVMを導入する動きが強まっていると判断し、成長率10%以上を確保する方針を掲げた。統合管理が可能な新製品の市場投入など、システム管理の簡易化をアピールすることで導入を促していく。

クリス・マクファーソン社長
 KVMスイッチの大口需要先はデータセンター(DC)だが、欧米と比べて日本のDCは常駐型が中心となっているため、遠隔地から操作できることが利点となるデジタルKVMを導入するケースが少ないといわれている。アナログを含めた国内KVM市場全体のなかでデジタルが占める割合は10%程度との見方もある。

 ただ、最近になってデジタルKVMの導入機運が高まりつつある。マクファーソン社長は、「世界同時不況で多くのユーザー企業がコスト面をさらに気にするようになった。とくに、運用コストを管理したいというニーズが高まっている。そこで、デジタルKVMによるシステム管理を意識するようになってきた」としている。そこで、デジタルKVMをさらに広める策を講じる。

 具体的には、さまざまなメーカーのサーバーで構築した環境の場合、KVMの活用で運用コストを可視化できることをアピールするほか、KVMによる統合管理で業務効率化につながることを提案していく。

 また、製品ではこのほどデジタルKVMスイッチの新バージョンとして「Dominion KX II 2.3」を発表。このバージョンは、マルチモニタに対応するほか、フルスクリーンとワイドスクリーンが選択可能。「カスケード(ティアリング)」と呼ばれる機能で、1個のベーススイッチから別の階層スイッチへの接続でベーススイッチを経由して階層スイッチにアクセスすることができる。また、ハッカーの侵入を断念させる設定が可能と、新しいセキュリティ機能も搭載している。

 これまでKVMはサーバー市場の成長に左右されていた。ところが、国内サーバー市場は統合化などで規模が縮小傾向にある。そのため、複数のサーバーを操作するKVMを、システムの統合管理に適した製品という認識をユーザーに定着させることができるかどうかがポイントになってくる。現段階でも、ソフトの提供でKVMがシステムを管理する製品として位置づけられつつあるが、「将来的には、管理の自動化や最適化が実現できる製品として確立させる」としている。直近では、複数システムの統合管理が容易にできる製品を市場投入することも予定している。(佐相彰彦)