ブロードバンド接続サービス「OCN」のユーザー向けサポートを主要業務に据えるNTT Com チェオ(小林洋子社長)が、ビジネスモデルの変革を図る。インターネットを接続するための訪問設置や、コールセンターでの問い合わせ対応などテクニカルサポート業務を行っている「CAVA(.com Advisor& Valuable Agent)」を生かし、小規模の企業を顧客として獲得しようとしている。まずは、サポートを中心にアプローチをかけ、将来はメーカーなどから製品を仕入れてシステムを構築するSIerへの転身も模索している。

小林洋子社長
 NTT Com チェオの現在の主要ビジネスは、「OCN」を中心としたサポートだ。インターネット接続の設定をはじめ、ルータの設置、無線LAN環境の構築などを行っている。また、コールセンター関連のサポートを提供しており、「OCN」を中心にパソコンやインターネットに関するトラブルや問い合わせへの対応、企業向けにコールセンターのアウトソーシングなども手がけている。

 訪問サポートやコールセンター業務が行えるのは、「CAVA」と呼ばれるサポート要員を全国に配置しているためだ。「CAVA」は、自宅近くでサポート業務を行うISPテクニカルサポートスタッフで、主婦などをメンバーとして構成されている。CAVAになるには、IT資格の「.com Master」をもつことが条件で、資格取得のレベルによって在宅ワークやフィールドスタッフを選択できる。現段階で北海道から沖縄まで全国で1600人を揃えている。小林社長は、「なかには、小企業のネットワークインフラを構築できるスキルをもつCAVAがいる。そのスキルをもっと生かすべき」と捉えている。

 小企業との接点をもつため、現段階で進めているのはメーカーとのアライアンスだ。とくに、プリンタを売る小規模なリセラーとのパートナーシップを計画している。「地方には、プリンタがネットワーク化されたために案件獲得が難しくなったリセラーがいる」という。プリンタメーカーとの交渉を進めており、製品販売をプリンタのリセラー、ネットワーク構築をCAVAという体制の整備で案件を獲得する考えだ。将来的には、パートナーシップを組んだメーカーの製品やソフトウェアメーカーとアライアンスを組むことでシステム構築まで網羅したSIを手がけることも視野に入れる。さらに、「音声関連など、当社社員とCAVAが連携して企業や個人に対して価値を与えられるようなサービスの創造に取り組んでいきたい」という考えを示す。

 同社は、今年6月に小林氏が社長に就任するなど、今年度(11年3月期)に体制が大きく変わっている。業績については、第1四半期が前年同期を上回る状況。「第2四半期に入ってからも順調に増えている」と自信をみせている。加えて、小企業を新規顧客として開拓できる仕組みや、同社社員とCAVAとの連携による新サービスの創造を付加し、ビジネスモデルを改善することで通期の売上高として前年度比10%以上にあたる150億円を見込んでいる。(佐相彰彦)