NEC(遠藤信博社長)は10月1日、国内シェアトップである高可用性ソフトウェア「CLUSTERPRO X」のメジャーバージョンアップ版「3.0シリーズ」の販売を開始する。新製品は仮想化システムの無停止フェイルオーバーに対応するなど、クラウド環境に備えて大幅に機能を強化。パートナー経由の販売を主に、今後3年間で220億円の売り上げを目指す。

クラウド時代への備え、これで万全

 新製品で機能強化した点はまず、VMwareやHyper-Vの仮想化基盤ソフトとの連携だ。従来、フェイルオーバーを行うには、いったんOSや業務アプリケーションを停止し、移動先での再起動が必要だった。しかし、新製品は、仮想化基盤がもつライブマイグレーションなどの機能と連携し、上位アプリケーションやネットワーク状態を保持したまま、サーバー障害の際に無停止で代替サーバーへ引き継ぐ「フェイルオーバー」が可能。OSなどを稼働した状態のままでフェイルオーバーができる。

 佐藤陽一・第一ITソフトウェア事業部主任は「この機能強化で、システムのダウンタイムを大幅に減らせ、業務復旧までの時間を短縮できる。止められないシステムの可用性を最大限引き出せる」と話す。シマンテックなどの競合製品にない機能として売り込む。

 また、データ同期を大幅に高速化した。ディスク内の実データ領域だけを同期し、初期構築時や障害復旧時のデータ同期を高速化することで、実データが存在しない初期構築の場合、従来は1TBあたりで約1000分かかっていた所要時間が約10分で完了するという。船田泰伸・同事業部エキスパートは「大容量のディスクでも、躊躇することなく同期作業ができる」という。

 同社ではシェアトップの同製品を幅広い層へ拡販することを狙う。そのため、「運用面で、初めてクラスタを使う人が直感的に操作できるようにした」(船田エキスパート)という。初期構築時にサーバー名など必要最低限の情報を入力するだけで、設定が必要な項目を自動的に画面表示できるようにしたことにより、「簡単に設定できる」(同)と、新規顧客の取り込みに最適と強調する。

 NECは9月3日、パートナープログラム「CLUSTERPRO WORKSパートナー」(加盟/68社)などを対象にフォーラムを開催。機能強化の説明のほか、パートナーと連携した成功案件の紹介などを実施した。10月の新製品発売に向けて気勢を上げる。(谷畑良胤)

「CLUSTERPRO X」事業を担当する船田泰伸エキスパート(左)と佐藤陽一主任(中央は同製品のキャラクター)