NEC(遠藤信博社長)は、セキュリティソフト「Infocage(インフォケイジ)」に機密情報漏えい対策ソフト「Infocage FileShell」を追加、出荷を始めた。機密性の高いデータに操作制限をかけ、許可された者以外は閲覧や編集が行えないようにするソフトで、「Office」やCADソフトなどさまざまなファイル形式に対応したのが特徴。製造業を中心に拡販を図る。

西田幸雄
エグゼクティブ
エキスパート
 「Infocage FileShell」は、DRM(デジタル著作権管理)と呼ばれるセキュリティジャンルのソフト。DRMは、個人情報保護法が公布された2003年頃から注目を集め、セキュリティソフト市場では一般的分野だ。個人情報や設計図など重要なデータに操作制限をかけ、閲覧・編集を制御する。複数のメーカーがすでに商品化しており、NECは後発だ。

 多様なファイル形式に対応する点を競合製品との差異化要素とした。「他社はアプリケーションソフトごとにDRMツールを導入する必要があって、膨大な費用がかかるほか、権限の管理が負担になっている」と西田幸雄・第二ITソフトウェア事業部(セキュリティグループ)エグゼクティブエキスパートは指摘。そのうえで、「『Infocage FileShell』は、『Office』やPDF、CADソフトなど、さまざまなアプリケーションソフトで作成したデータに対応する」と優位性をアピールする。「Office」に対応するためには、マイクロソフトと協業体制を築き、技術・営業面で連携を取っている。

 参考価格は、100ユーザー・420万円からで、7月30日に出荷を始めた。製造業を主要ターゲットとし、直販とパートナーを経由した間接販売で売り込む。「製造業の企業は、国内外問わず複数の協力会社と連携しながら、製品を開発・製造している。そのような環境下で、設計図データも多くの人が利用することになるが、そのデータにセキュリティ対策を施さずに送受信しているケースが多いのが問題だ」と西田氏は指摘する。

 グローバルでSCMを築く大手企業でもDRM製品を活用しているケースは稀で、とくに海外に拠点をもつ大手企業は悩んでいると西田氏は感じており、潜在需要は強いと分析している。また、電子カルテシステムなど医療機関向けシステムでも需要は強いとみており、医療・福祉機関も提案先としてみている。

 NECは2010年4月に、グループ企業も含めた全セキュリティ関連製品・サービスを「Secure Societyシリーズ」のブランド名で体系化し直している。「Infocageシリーズ」はそのなかの中核製品の位置づけで、今回の新製品以外には、ウェブアプリケーションファイアウォールの「Infocage SiteShell」を発売するなど、既存商品のバージョンアップだけでなく、新製品投入にも積極的だ。(木村剛士)