SIとソフト開発を手がける富士通ビー・エス・シー(富士通BSC、兼子孝夫社長)の組み込みソフト開発事業が回復傾向にある。今年度(2011年3月期)第1四半期の組み込みソフト開発事業の売上高は、前年同期比21.1%増の12億1500万円とプラス成長に転じた。景気後退の影響などにより、昨年度までは低迷を続けていたが、今年度に入って回復。第2四半期も前年同期比でプラス成長を見込んでおり、市場が息を吹き返しつつある。

兼子孝夫社長
 富士通BSCは、通信キャリア向けシステムや一般企業向けの業務システム開発に強いSIerだが、組み込みソフト開発でも安定した売り上げを確保している。全売上高の約15%を組み込み開発事業が占める。中国に開発子会社を設けており、安価なコストで安定して開発できる体制を築いていることを強みにしている。家電向けでは、ニコン子会社のニコンシステムと合弁会社を設立しており、カメラ向けの組み込みソフト開発を手がけている。

 携帯電話や家電、自動車向けなど幅広い分野の組み込みソフトを開発しているが、今年度第1四半期でとくに好調だったのが、携帯電話と家電向けだ。携帯電話向けは、前年同期は5億円を下回ったが、今年度第一四半期では5億円ラインを突破。家電向けでは、前年同期は未達だった2億5000万円を超えた。兼子社長は、「売上高の減少に底打ち感を感じており、回復基調にある」と断言している。

 今年度上期をみても、前年同期比9.6%増の22億円とプラス成長を見込んでおり、市場環境は好転したと判断している。組み込みソフト開発を事業の中心に据える中国子会社の人員は今年度、昨年度比で30人増やして215人体制に据える。積極投資に踏み切り、体制を増強する考えだ。(木村剛士)