富士通研究所(富田達夫社長)は、仮想デスクトップの操作応答性能を向上させる高速表示技術「RVEC(レベック、Remote Virtual Environment Computing)」を開発した。スマートフォンなどによるモバイル環境の業務やCADなどのグラフィック処理に、仮想デスクトップの用途を広げることができるという。

 「RVEC」は、画面更新が多い領域を抽出し、更新の頻度に応じて動画化領域と静止画領域に分類。それぞれの領域に適した圧縮方式を用いて、クライアント端末に送信する。 

領域ごとに画面更新

 CADのように直線を多用する画像は、圧縮による画質劣化を回避して直線をクリアに表示しながらも、高効率に圧縮して転送するCAD画像圧縮技術を開発した。「RVEC」の静止画圧縮方式にCAD画像圧縮技術を用いることで、CADでの配線や物体の輪郭をクリアに表示する。 

CAD画像を圧縮

 社内試行環境(1024ドット×1280ドット)で720ドット×1280ドットの動画を再生した場合のデータ転送量を、従来方式と同等の表示フレームレートで比較したところ、約10分の1の毎秒930kbitに抑えることができたという。2次元のCADを利用した場合は、クライアント端末あたり平均で毎秒約670kbitのデータ転送量で操作することができた。VNC(オープンソースの仮想デスクトップツール)で用いているHextile圧縮方式と比較して、約3倍の静止画圧縮率を達成したとしている。 

「RVEC」の利用シーン

 現在、2次元のCADについては社内試行を進めている。2011年度中に3次元のCADにも対応させ、商用クラウドサービスへの適用を目指す。スマートフォン向けについても、モバイル環境から仮想デスクトップにセキュアにアクセスするソリューションの提供などを検討する。(信澤健太)