セールスフォース・ドットコム(SFDC、宇陀栄次社長)は、このほど都内でシステムインテグレータ(SIer)や独立系ソフトウェアベンダー(ISV)を対象にした年次イベント「Partner Summit 2011 Spring」を開催した。宇陀社長が経営戦略を発表したほか、パートナー施策の責任者である保科実専務執行役員が、今後のパートナー戦略を語った。国内のパートナー300人以上が参加した。

宇陀栄次社長

 冒頭、挨拶に立った宇陀社長は、イベント前に発表したトヨタ自動車との提携に触れ、「さまざまな知恵を融合し、新しいITが創造されていく」と述べ、同社が展開するクラウド型のCRM(顧客情報管理)サービスやクラウド基盤などに加え、SNSと業務アプリケーションが融合することで、「コンピューティングは、PCの時代が終わり、さまざまなデバイスなどで『ソーシャル・エンタープライズ』が形成される」と、クラウドやSNSに加え、自動車のテレマティクスなどが融合し、新たなITの時代が来るとした。

 挨拶のあと、パートナーAWARDの表彰を行い、続けて、保科専務執行役員が、パートナー向けプログラムの強化策を明らかにした。SFDCのパートナービジネスは、09年度(10年1月期)が前年度比で65%増、10年度(11年1月期)が69%と急成長を続けている。10年度(12年1月期)は95%増の目標を立てている。

 イベントでパートナービジネスの重点プログラムに掲げたのは、(1)パートナー紹介案件の拡大(2)スキル・情報のトランスファー(3)ISVプログラム(4)業務プロセス・オペレーションの改善(5)トレーニングコース・認定資格体系の改定などだ。

 パートナー紹介案件の拡大に関しては、パートナー向けポータルサイトに早期にリード(案件)を登録することや、SFDC側のテレセールスで商談化のフォローや、パートナー別のアカウント営業担当者による案件の後方支援、SFDCの直販で実績のある販売ノウハウをパートナーに渡すなど、具体的な拡大方策を提示。保科専務は「人数に限りがあるので、直販では販売を伸ばすことはできない。顧客の実情を知るパートナーと組んで、ビジネス機会をつくっていく」と述べた。

保科実・専務執行役員

 スキル・情報のトランスファーでは、SFDCの最新情報を紹介する定例セミナーや、2日間コースで同社のソリューション、営業手法、競合情報に関することを共有する「Partner Academy」を開催するほか、これまで英語版だけだった技術資料を日本語化して提供する。「当然のことだが、当社のエキスパートは製品を顧客に導入する一連のプロセス(プリセールスからインプリメントまで)でベストプラクティスをもっている。これをパートナーにもパッケージとして提供する」とし、このほか、世界統一の認定資格制度やパートナー向けの新ポータルサイトを設け、早期にリード(案件)を提供できるようにしたことを伝えた。

 パートナー施策で最も時間を割いていたのが、ISV向けのプログラムだ。保科専務は「当社のISV向けプログラム『OEMパートナー・プログラム』は、開発支援、ツール類の利用など、実際の開発からサービス受注するまでに利用するSFDCの環境が一切無償で利用できる」と、ISVは早期にクラウド・ビジネスを開始できると強調した。

(詳細は『週刊BCN』7月4日号・Vol.1389参照)
(谷畑良胤)