住商情報システム(SCS、中井戸信英会長兼社長)は、全社的なオフショアの窓口として、中国に住商信息系統(大連)を展開している。中国のオフショアパートナー企業に製造プロセスを浸透させることで、オフショアを強化するのが目的だ。

 SCSは、2000年頃から大連でのオフショア開発を始めたが、必ずしも成功したプロジェクトばかりではなかった。そこで、06年にオフショア成功要因の洗い出しを全社レベルで実施。その分析結果にもとづき、ブリッジSEに依存せず、プロセスと成果物で開発できる仕組みを構築した。上工程(設計)と下工程(製造)との分離化を図り、発注側のSCSでは独自の標準プロセスの導入によって設計力を向上させるとともに、製造プロセスを効率化した。

 さらに、日本と中国の文化の違いを補い、中立の立場からSCSと中国のオフショアパートナーをつなぐ「真のパートナー」として、住商信息系統(大連)を設立。開発工程のレベルアップを図るために、オフショアパートナーを数社に絞込み、製造プロセスを徹底的に教育している。

 住商信息系統(大連)の小寺高志総経理は「製造業では、設計書やプロセスをつくり、それを現場にインプットしていくことで、高品質、低コスト、短納期を実現している。ソフトウェア開発も“工場化”ができれば、オフショアの成功案件が増えるはずだと考えた」と話す。住商信息系統(大連)では、設計書に記載されている情報で開発できるレベルなのかをチェックし、開発着手前に、処理の間違いなどによるバグを極力排除する仕組みをつくり上げた。

 今後は、保守にかかるプログラム改変などの作業を、中国でさらに拡大していくことを計画。大連では、今、プログラムから設計書を起こすリバースデザインに取り組んでいる。これによってシステムを理解し、プログラムの変更にも柔軟に応えられるようになる。小寺総経理は、「システム保守に対する新たなプロセスと仕組みを、顧客やSCSとともにつくり上げていきたい」と話している。(鍋島蓉子)