大塚商会(大塚裕司社長)は、7月27日、都内のホテルで、IT業界関係者らを招き「創業50周年感謝会」を開いた。当日は、IT業界のメーカーやビジネスパートナー、同業他社の関係者ら600人以上が参加。同社の創業50周年を祝った。

 冒頭挨拶した大塚裕司社長は、参加者に謝意を表し「改めて、たくさんの力をいただき、50年を過ごすことができたことをお礼申し上げる。ここより(挨拶をするひな壇)小さいスペースで50年前に秋葉原に創業。当時私は小学校二年生で、母に連れられて事務所に来て、夏休みということで電話番のようなことをしていた記憶が残っている。当時の滝沢さん、小池さん、森さん、飯島さんなどが徐々に集まり、会社の体を成してきたことを思い出す」と、創業当時の記憶を述べた。

大塚裕司社長

 続けて、「40周年の記念パーティーで社長に就任したが、その時は『頑張ります』というだけで済んでいたが、いまは違う。社長就任後には、米同時多発テロ、新型インフルエンザ、リーマン・ショック、そして東日本大震災と、厳しい世の中をくぐり抜けてこれました」とし、深々と頭を下げパートナー各社にお礼をした。

 このあと、来賓として登壇したリコーの近藤史朗社長が、「大塚商会と当社は兄弟であり、時にはライバルになる戦友だ」としたうえで、大塚商会と歩んできたビジネスの道のりや、大塚実名誉会長とのエピソードに触れながら、次のように語った。

 「2000年に当社の複写機の開発リーダーだったころ、名誉会長にセキュリティの新機能についてプレゼンしたが、『近藤くん、俺たちはとっくにやっている』と言われ衝撃を受けた。また、リコーの複写機で品質問題が出た時、『今の状態ではダメだ。しっかりやってくれ』と言われ、当社の開発プロセスを根本的に変えた。いまリコーは若干病気に罹っている。その立て直しに向け、大塚裕司社長にベンチマークを依頼した」ことを明かし、創業50周年を称えた。

リコーの近藤史朗社長

 NECの遠藤信博社長は、祝辞を述べ「大塚商会が創業した当時、私も小学校二年生だった」と、笑いを誘ったあと、「当社では、事業は人、企業は文化と言っている。人と人との関係をつくることが重要。そういう意味で、大塚商会には学ぶところが多い」と述べるとともに、両社のこれまでの関係性を語った。

NECの遠藤信博社長

 祝宴の乾杯で音頭を取ったのは、大塚社長が大学卒業後に勤務した横浜銀行の野口隆・取締役常務執行役員。乾杯前の挨拶では「大塚社長が大学卒業後に当行へ入行したので、当社に乾杯の発声が回ってきた」と、冗談交じりに語りながら、大塚商会の発展を期して乾杯を告げた。

横浜銀行の野口隆・取締役常務

 歓談中には、創業者である大塚実・相談役名誉会長が演題に立ち、感謝の意を表した。大塚名誉会長は「ビルマ戦地で、多くの戦友が死んでいく中で、不思議と弾が当たらなかった。戦地から帰り、サラリーマンをしたが、限界を感じ大塚商会を創業した。当時は、生涯をかけて30人程度の所帯になり、社員と社員の家族に喜ばれる会社になることを目指していた。そして、競合他社と比べ顧客満足度では差別化することを掲げ、今の隆盛を築くことができた。感無量です」と、現在は日本橋川の浄化運動など自然環境活動に取り組んでいることや成果を述べた。

大塚実・相談役名誉会長

 これに続いて中締めの挨拶をした濱田一秀・取締役専務執行役員は「お客様に接するこれまでの姿勢を大事に、さらに友好的に皆さんと関係を築いていく」と、語った。

 大塚商会は、1961年大塚実氏が複写機ビジネスを展開する企業として東京・秋葉原で創業した。当時掲げた理念「サービスに勝る商法はなし」は、現在も生き続けている。62年から69年まで東京の大森支店を皮切りに都内な大阪に支店を次々に開設した。70年には、当時企業システムの主流になりつつあったオフィスコンピュータ(オフコン)事業に参入。76年には、NECと取り引きを開始し、同社のディーラーとして頭角を現す。79年には、現在、国内市場でトップシェアをもつ業務基幹システム「SMILE」をオフコン用として発売。パソコンが出始めた81年には、パソコン・ワープロ事業に進出している。

 同社がシステムインテグレータとして経済産業省(当時は通商産業省)から認定されたのは90年。90年代後半には、バブル崩壊の憂き目に遭い、当時常務だった大塚裕司社長が「大戦略プロジェクト」を指揮した。

 同社のストックビジネスの中核事業となっているオフィスサプライ通信販売事業「たのめーる」は、99年に開始した。その翌年の2000年に東証第一部に株式上場。01年には大塚実氏に代わり、大塚裕司氏が代表取締役社長に就任し、翌年に「ミッションステートメント」を制定している。03年には、本社を東京千代田区飯田橋の新社屋に移転。08年には、たのめーる事業などの拡充を図るため、ライオン事務器と業務・資本提携した。(谷畑良胤)