データセンター(DC)サービスなどを手がけるKVH(リチャード・ウォーリーCEO)は、クラウド型の電子メールフィルタリングサービスを本格的に立ち上げる。国内に4か所の大型DCを展開する同社は、このインフラをフルに活用することで既存のフィルタリング製品を追い上げる。これまでのアプライアンスやソフトウェア方式よりも使い勝手のいいクラウド方式を前面に押し出すことで、シェア拡大に努める。

上野博行マネージャー
梅浩文スペシャリスト
 スパムや迷惑メールを排除する電子メールフィルタリングは、これまでアプライアンス製品を客先に設置したり、ユーザーがもつ汎用サーバーにフィルタリングソフトをインストールするなどして使うケースが多かった。KVHがフィルタリングサービスを始めたのは今年8月からで、後発ではあるものの、「首都圏や大阪に展開する自前のDCインフラを駆使しており、信頼性が高く、使い勝手のいいクラウドサービスに仕上げた」(上野博行・営業開発部パートナービジネスグループマネージャー)としており、これを強みとして販売増を目指す。

 KVHのクラウド型フィルタリングは「KVH MailScan MX」で、フィルタリングソフト開発で実績のあるニュージーランドのSMX社の技術を採用した。過去1週間程度のメールをクラウド上に保存し、災害などでメールサーバーに致命的な障害が発生しても直近分を復旧でき、またハード機材を顧客が保有せずに済むなど、事業継続計画(BCP)や保守運用の手間が省けるメリットがある。

 販売に関しては、同社のDCサービスを販売しているおよそ100社のビジネスパートナーを中心とする間接販売を重視。引き合いは上々で、「クラウド型のメールフィルタリングでトップシェアを狙うポジションにある」(梅浩文・サービス・ストラテジー&デザイン部PaaSグループスペシャリスト)と手応えを感じている。(安藤章司)