アドビ システムズ(アドビ、クレイグ・ティーゲル社長)は、大手流通卸のダイワボウ情報システム(DIS、野上義博社長)とチャネルOEM契約を結び、PDFの作成・編集ソフト「Adobe Acrobat X Standard」を、DISがディーラーに提供する法人向けパソコンにバンドルして販売をスタートした。アドビのOEM契約は、通常パソコンメーカーとだけ締結しており、大手流通卸とOEM契約は世界初という。

 DISは、アドビとの契約にもとづいて、NECとレノボのパソコンに「Adobe Acrobat X Standard」をバンドルし、10月に2次店への提供を開始した。両メーカーのバンドル版「標準モデル」は14機種。DISのカスタマイズセンターでソフトを出荷する。

 アドビは、これまで主に官公庁・自治体や大手企業などの大口顧客を中心にAcrobat製品の販売を強化し、ライセンス販売は好調に推移している。だが、「中堅・中小企業(SMB)市場には十分訴求できていない。ハードウェア販売で国内をリードするベストパートナーのDISと組み、SMB市場を開拓する」(佐野守計・チャネルセールス本部長)という。

 DIS経由で「標準モデル」を購入した顧客は、アドビのコールセンターに電話してシリアル番号を得ることで、ソフトが利用できるようになる。また、「標準モデル」のカスタマーサポートもアドビで行う。SMB顧客の情報を一元管理することで、バージョン管理やアップデート情報などを的確に配布できるようになる。また、DISの安永達哉専務取締役は「『標準モデル』を販売したディーラーは顧客環境の情報を得ることでストックビジネスを構築でき、他の製品をクロスセルすることも可能になる」と、「標準モデル」を販売するメリットを強調する。

 安永専務によれば、「AcrobatをWindows XPの環境で使いたいというニーズがある。パソコンの型番やOSなどの環境で、Acrobatの利用環境に不具合が生じる場合があるが、これをカスタマイズセンターで検証し、安心なバンドル製品として販売できる」という。DISは、当面NECとレノボのパソコンに限って「Adobe Acrobat X Standard」のバンドル版を提供するが、早い段階で他メーカーのパソコンにもバンドルし、発売する計画だ。(谷畑良胤)

最近、東京・大崎の日本法人本社事務所を改築したアドビ システムズ