ソニー(ハワード・ストリンガー会長兼社長CEO)は、業務用蓄電池「ESSP-2000」の販売を強化する。複数の官公庁や地方自治体が、蓄電池や自家発電装置を購入する企業に対して補助金を出す制度を開始し、販売に弾みがつく可能性が出てきた。東日本大震災後は、「話題にはなるものの、販売は大きく伸びていない」状況だったが、来年度には需要が本格化するとみて拡販に力を注ぐ。

 「ESSP-2000」は、2011年9月に発売した企業・団体向けの蓄電池で、2.4kWhの電力量を蓄電できる。本体には、AC100ボルトコンセントを6口備え、万一停電などで電力会社からの電力供給がストップした場合、「ESSP-2000」がカバーしてくれる。

 搭載している「オリビン型リン酸鉄リチウムイオン電池」が、通常のリチウムイオン電池よりも劣化しにくいことと、約2時間で95%の充電が可能なことが特徴。本体には電力残量や使用可能時間などを表示するモニターを備える。タイマー機能をもち、電力料金が安価な深夜に充電し、電力需要が高まる午前9時前後に「ESSP-2000」に貯めた電力を使うといったピークシフトに対応できる。災害対策機器だが、節電にも貢献する。本体サイズは幅49×高さ61×奥行75cmで、重さは90kg。市場推定価格は200万円前後。

 経済産業省や環境省などの関係省庁や横浜市、東京都などの地方自治体は、蓄電池や自家発電装置の購入を補助する制度をスタートしている。東京都と東京都中小企業振興公社は2月8日、都内の中小企業が関東や東北地方の事業所に自家発電設備と蓄電池を設置した場合、機器と工事費の3分の2を都が負担する制度(3月31日まで)を開始している。「他の自治体でも同様の制度があり、需要を喚起する好材料とみている」(ソニーマーケティングの井上人彦・法人営業本部法人パートナー営業部営業2課シニアセールスマネジャー)。蓄電池は東日本大震災後に注目されたが、実売にはあまりつながっていないという。「今年度はユーザー企業が災害対策、事業継続計画を策定している段階。来年度が投資の時期」とみている。(木村剛士)

業務用蓄電池「ESSP-2000」