国内のデータセンター(DC)事業者と主要DC関連事業者で組織するNPO法人日本データセンター協会(JDCC、理事長=白川功・兵庫県立大学教授)は、このほど、設立3周年を機に同協会として初めて記者会見を開き、2010年度の成果と来年度の重点活動を報告した。

 全体の報告を行ったのは、協会の理事・運営委員長である江崎浩・東京大学大学院教授。報告によると、今年度は大震災以降に協会の正会員数が100社のラインを突破して101社に達した。

 協会では、サービス品質の向上やITサービスの提供者と利用者が安心して利用できる信頼性を確保することを目的にした施設指針「データセンター・ファシリティ・スタンダード」を策定しているが、大震災を受けて「地震対策」に関する仕様も改定した。

 協会によれば、今回の震災でサービスを停止したDCはなかった。だが、停電して復旧するまでの数日間の電力を供給する非常用発電機の燃料確保量に課題が生じたようだ。

 こうした状況を受けて、協会は指針を見直して、「複数の燃料供給業者と契約を結び、燃料調達先の冗長化を行うことを推奨する」ことなどを決めた。DCの立地選定に当たっては、津波や高潮、予測される震度、液状化の危険度など、想定範囲を超えるハザード対策について検討することを重要と考え、ハザード情報の入手先を追加し、危険地域へ立地する場合の対応方法を示した。

 協会として米サンフランシスコで開催された「Datacenter Dynamics」で講演し、日本の技術力を示した江崎理事は、「この大震災で高い日本品質(Japan Quality)を証明することができた」と語る。

 一方、来年度は海外発信をさらに強化するほか、事業継続性を含む対応策として、節電や電力使用量のピーク時にDCで電力を制御する手法や、制御するなかで質と量をどのように維持するかを検討する。また、重要な社会インフラとしてDCの利用を促すために、高度な人材確保を急ぐ。協会としては、「人材マネジメントワーキンググループ」で必要な人材像を策定し、産学連携で人材育成を開始する方針だ。(谷畑良胤) 

設立3周年で初めて記者会見を開いたJDCC(左から江崎浩理事・運営委員長、白川功理事長、磯部眞人事務局長)