SAPジャパン(安斎富太郎社長)は、経営や企業情報(ビジネスデータ)と、twitterやfacebook上で交わされている会話のなかに潜むビジネス価値の高い情報(ソーシャルデータ)の双方を可視化することで、事業に役立てるクラウドベースのソーシャルデータ分析ソリューション「SAP Social Media Analytics by NetBase」の提供を開始した。

 「SAP Social Media Analytics by NetBase」は、米NetBase Solutionsが開発したクラウドベースのソーシャルメディア分析ソリューションを、SAPブランド製品として再販するもの。ソーシャルメディア上で毎日交わされる約9500万ものソーシャルデータを分析し、新製品や新キャンペーンが世界中の消費者にどのように評価されているかをリアルタイムに理解できる。twitterやfacebookだけでなく、2ch.netやameblo.jp、rakuten.co.jp、kakaku.comなど、8万6900ドメインをカバーしている。

 クラウド上に格納されている過去1年以上の大量のソーシャルデータを活用し、自社ブランドや競合他社とのポジショニングの変化を時系列で把握することもできる。どのような内容のデータを必要とするかを事前に特定したり、複雑な言語設定をしたりする必要はない。ソーシャルデータとユーザーインターフェース、分析機能を、一体的にクラウドベースのソリューションとして提供する。

 得られたソーシャルメディアの分析情報は、NetBaseのNLP(自然言語解析)技術を通じ、単語の検出頻度やポジティブ/ネガティブなどの単純な判断だけでなく、感情や消費者行動、製品やサービスに対する意見などを判断・分析し、口コミの好意度指標(Net Sentiment Score)を決定する高い分析力を有する。

 NetBase SolutionsのFred Mondragon事業開発担当バイスプレジデントは、「ある消費財メーカーは、新しいデザートを発売する際に、一部地域で大胆なCMを打った。そうしたら、すぐにコールセンターに苦情が寄せられた。この企業は年商が400億~500億ドルの大企業で、CMを中止するかどうか難しい判断を迫られた。『SAP Social Media Analytics by NetBase』を使うことで、瞬時に広告の効果を分析し、『大胆であるがおもしろい』という反応が寄せられていることがわかったうえ、結果的に売り上げが伸びた。従来なら、コールセンターに苦情が寄せられた時点で、CMは打ち切りになっていた可能性がある」と海外での先行事例を紹介した。

NetBase SolutionsのFred Mondragon事業開発担当バイスプレジデント

 「SAP ERP」や「SAP BusinessObjects BI solutions」などで扱う売り上げや利益、在庫などの構造化された「ビジネスデータ」と、「SAP Social Media Analytics by NetBase」で可視化する非構造化の「ソーシャルデータ」を連携させることで、消費者感情が企業パフォーマンスに与える影響をリアルタイムに把握できる。

 価格は、ユーザー数とトピック数で決定し、最小構成で58万9950円(3か月~)。SAPジャパンの桐井健之バイスプレジデントビジネスアナリティクス営業本部本部長は、「SAPらしくない価格帯で提供する」とした。IT部門ではなく、商品企画やブランドオーナーなどの部門を対象に、「SAP ERP」の既存ユーザーに限定せずに販売する。(信澤健太)