富士通マーケティング(FJM)は、病院向け財務会計システムの拡販に取り組む。病床数で200ベッド以下の中堅・中小病院を主なターゲットにしたもので、電子カルテや医事会計など、業務システムとの連携を強化。これまで手薄だった病院向け財務会計システムの使い勝手の向上を図るとともに、全国の富士通ビジネスパートナーとも歩調を合わせながら販売に力を入れる。

坂本真一
担当課長
 “病院の会計”といえば、レセプトコンピュータ(レセコン)に代表される診療報酬点数にもとづく医事会計システムが代表的。だが、これとは別に、病院も一事業所として一般企業と同じような財務会計システムが必要とされる。現状では、中堅・中小病院は、市販の財務会計ソフトなどを活用するケースが多く、電子カルテやレセコン、オーダリングなどの業務システムとの連携機能が十分でない面もあり、「勘定科目を仕分けするなどの手作業が発生するケースも少なくない」(FJMの坂本真一・ヘルスケアビジネス推進部担当課長)という状況にある。

 そこでFJMは、医療法人向けの会計ソフト「GLOVIA smart きらら会計」と院内で使っている業務システムとを連携する自動仕分けモジュールを開発。相互の連携を自動化することで経理担当者の仕分け作業やデータ入力の二度手間を省くようにした。湯河原中央温泉病院に納入したモジュールを、11月に商品化したもので、これによって「病院に向けた拡販に弾みをつける」(FJMの稲箸明・GLOVIA smart きらら事業部プロジェクト課長)という考えだ。

稲箸明
プロジェクト課長
 富士通グループは、医療情報システムでトップシェアを誇るとともに、病院向け財務会計もカバーしている。だが、富士通本体は大病院向けがメインで、中小病院では価格が折り合わないこともあった。FJMでは大病院向けの半額以下に抑え、SaaS方式も選べるようにするなど、導入しやすい仕組みを整備。富士通のビジネスパートナーとも連携し、中堅・中小病院向け財務会計システムを、2015年度までに全国300病院への納入を目指す。

 病院の情報化については、200床未満の電子カルテ導入率が3割未満で推移しているように、中堅・中小病院の取り組みの遅れが目立つ。国は、病院や介護施設、診療所などの情報システムを連携させることで、地域全体での医療・福祉の効率化を推進しており、富士通グループはこれをトータルでサポートすることでシェア拡大を狙う。(安藤章司)