データセンター(DC)運営大手のKVH(東瀬テッド社長兼CEO)は、シンガポールと香港に同社として8番目と9番目のデータセンター(DC)を開設したと発表した。両DCの開設当初の電源供給能力はともに1MW(メガワット)で、電力消費が6kVA相当のラックに換算すると約160ラック。今後、需要に応じて拡充していく。

 首都圏4か所、関西地区2か所、韓国・釜山の計7か所に加えて、シンガポールと香港の2か所を開設したことで、KVHのDCは9か所になった。総電源供給能力は18.5MWと、6kVAラック換算で計約3000ラックのコンピューティングパワーに拡張した。

東瀬テッド社長兼CEO

 KVHは高品質のネットワーク回線にも強い事業者としても知られ、超低遅延のネットワーク回線を必要とする金融業の顧客を多く抱える。直近の売上構成をみると、金融業が45%、通信キャリアが19%、メディア業が14%などで、金融や通信キャリアから高い評価を得ている。

日置健二COO

 さらに、今年6月から、順次東京と香港、シンガポールでIaaS型クラウドサービスを提供する。兄弟会社の英コルトが運営する欧州の7か所のDCで提供するIaaS型クラウドサービスと連携して、「アジアと欧州の計10拠点で均質なIaaSプラットフォームを提供する準備を進める」(東瀬テッド社長兼CEO)。

 KVHの直近の売り上げのうち約90%は国内で、残り約10%がアジアを中心とした海外での売り上げが占める。向こう5年で売り上げを倍増し、海外の売上構成比を25%にする目標を掲げる。将来は、上海やジャカルタなど、アジアの主要都市にDCやIaaS型クラウド拠点を展開していく方針だ。

 販売チャネルについては、企業向けに直接販売するだけでなく、有力SIerやISVと積極的に連携をしていく方針。日置健二COOは、「ビジネスパートナーであるSIerやISVには、DCサービスやマネージドネットワークサービス、IaaS型クラウドサービスなど、当社の高品質のITインフラの上で、ERP(基幹業務システム)をはじめとする業務アプリケーションを構築していただきたい」と、パートナーとの連携でビジネスの拡大を目指す。

 KVHは東京に本社を置くが、主要株主は米投資会社のフィデリティグループで、同じく主要株主がフィデリティグループの英コルト社とは兄弟関係にある。