有力SIerのアイティフォー(東川清社長)は、流通・小売業を今年度(2014年3月期)の重点領域の一つに位置づけている。ネット通販や、百貨店などを中心とする地域商圏向けポイントカード、O2O(オンライン・トゥ・オフライン)などのITシステムを軸に商材開発や販売促進に取り組む。上半期中(13年9月)をめどに、地域商圏向けポイントカードシステムや、ネット通販の多店舗展開用モジュールを新たに投入する計画を立てている。

東川清社長
 アイティフォーは、主力のネット通販システム「ITFOReC(アイティフォレック)」のネット上の多店舗展開への対応や、ネット店舗とオフライン店舗(実店舗)との相乗効果を高める施策を強化する。直近では、婦人靴などを製造・販売する神戸レザークロス(神戸市長田区)のネット通販サイトを「ITFOReC」で受注している。ネット上の商品には、全国の販売店の最新の在庫情報を表示。さらに販売店の住所や営業時間なども添えることで、ユーザーはオンラインとオフラインのどちらでも容易に購入できる仕組みを実装した。これはオンライン・トゥ・オフライン(O2O)と呼ばれる手法で、ネットと現実店舗の相乗効果を高めやすくするものだ。また、実店舗で適用しているポイントカードをネット上でも使えるようにしたり、ネット上の複数の大型モールに出店しやすい仕組みも整備する。

 ポイントカードについては、地域の商店街で共通して使えるポイントカードシステムも上半期(13年9月)中をめどに投入する。例えば、地方都市で有力百貨店を中心に商店街が地域商圏を形成しているケースでは、商店街と百貨店のポイントカードを共通化し、「地域全体での集客力を高める」(東川社長)というように、仕組みづくりに力を入れる。

 アイティフォーは、従来のおよそ半額程度の月額3000円ほどの負担でカード読み取り機と3G回線を組み合わせたサービス化のめどをつけており、「中小商店が導入しやすいような価格帯にする」(同)ことでシェア拡大に努める。

 昨年度(2013年3月期)のシステムソリューションセグメントの受注高は、ネット通販や流通・小売業向けの基幹システム事業が好調に推移したことや、金融機関や自治体向けの債権管理システムが好調だったことから前年度比8.8%伸びた。東川社長は「今期も強みをより大きく伸ばす」と意欲を示している。(安藤章司)