さいたま市に本社を置くソフトウェア開発・販売会社のシステムインテグレータ(梅田弘之社長)は、店舗向けに無料Wi-Fiスポットを利用したO2O(オンライン・トゥ・オフライン)マーケティング用クラウドサービス「SI Mobile Portal(モバポタ)」をリリースした。第一弾として、昨年12月には、コンビニエンスストアなど小売店舗向け「SI Mobile Portal for Shop」の販売を開始。同社は、このサービスを2015年中に単独事業として黒字化を目指す。

 システムインテグレータの「モバポタ」は、Salesforce.com上のクラウドサービスを使って、簡単に低価格で自店に応じたポータルサイトを構築・運用できるサービスだ。同社が独自に開発したコンテンツ・マネジメント・システム(CMS)「レインボーカクテル」をベースにしたもので、売れ筋ランキングやお買い得商品など、各店舗ごとに異なるコンテンツを簡単操作で構築することができる。例えば、大手コンビニのフランチャイズ店などであれば、所属する企業の外部店舗管理システムやeコマースシステムから自動的にコンテンツを取り込む標準APIを使って、手間なくつくることができる。無料Wi-Fiスポットのある店舗に来店すると、スマートフォンへ自動的に「モバポタ」で作成した店舗ポータルサイトが表示される。

 最近では、コンビニなどを中心に店舗にWi-Fiルータを設置し、無料Wi-Fiサービスを提供している。しかし、「無料Wi-Fiは単に設置するだけで、店舗にメリットが生まれていない」(梅田社長)ことから、ここに目をつけた。マーケティング担当の館微微氏は「フランチャイズ店などが各店舗オリジナルのポータルをつくるのは資金的に困難だ。モバポタを使えば、会員獲得のほか、リアルな商品情報を届けることもできるし、店舗へ誘導してリピーターを呼び込むことが可能となる」とアピールする。しかも、安価(初期導入費10万円/月額3万円)なクラウドサービスで実現できるという。

 eコマースなどのウェブサイトで商品を閲覧し、実店舗へ顧客を誘導するO2Oマーケティングを展開する小売店舗が増えているが、モバポタはその一環として利用が増えそうだ。同社はパイロット導入先を選定し、顧客誘導率の効果を測ったうえで、積極的な販売活動へ移行する計画だ。(谷畑良胤)

梅田弘之社長(左)とマーケティング担当の館微微氏