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富士通フロンテック 小売業向けビジネスを強化 開発・営業面で富士通と協業

2012/11/29 20:11

週刊BCN 2012年11月26日vol.1458掲載

 富士通フロンテック(利根廣貞社長)は、POS端末を中心とする小売・流通業者向けビジネスを、富士通との協業で伸ばす。POS端末とITサービスを組み合わせた総合ソリューションを富士通と共同企画・開発。提案活動では、ユーザー企業の本社を富士通が担当し、各店舗を富士通フロンテックが担当する体制を敷いて、POS端末市場で優位にある東芝テックに対抗する。

松森邦彦常務
 富士通フロンテックは、金融機関向けATMや小売業者が利用するPOS端末など、特定の業界が利用する特殊機器の開発・販売に強い。全売上高のうち約20%を占める小売・流通業向けビジネスは、POS端末とハンディターミナル端末の販売と、RFIDタグを用いた商品管理システムなどを組み合わせたシステム販売が中心だ。

 富士通との協業では、ソリューション開発と営業の両面で関係を強めている。ソリューション開発では、富士通と富士通グループ子会社のハードやソフト、SIサービスと富士通フロンテックの端末を組み合わせたソリューションを企画し、販売している。最近では、富士通が、富士通フロンテックやその他の子会社と連携し、衣料・雑貨のセレクトショップを展開するビームスに対して、マーチャンダイジング(MD)自動化ソリューション「GLOVIA smart 専門店 Pastel Plus」と富士通フロンテックのPOS端末「TeamSTORE/S」、RFIDタグを用いたシステムを納入した。

 営業面では、「本社と各店舗のITに対する要望は異なる」(流通事業本部長を務める松森邦彦・取締役経営執行役常務)と判断して、富士通がユーザーの本社の情報システム部門に営業をかけ、富士通フロンテックが店舗の要望を聞き取って提案内容に生かす分担体制を敷いた。

 松森取締役経営執行役常務は、「POS端末は、新たな技術で差異化することはまだ十分に可能。だが、小売・流通業を取り巻くビジネス環境は厳しく、なかなかそれ(端末)だけでは、プロジェクトを受注するのは難しい。富士通グループの総合力を生かして、トータルソリューションでライバルの東芝テックに対抗する」としている。(木村剛士)
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外部リンク

富士通フロンテック=http://www.frontech.fujitsu.com/