ダイワボウ情報システム(DIS、野上義博社長)は7月17・18日、山形県山形市の山形国際交流プラザ山形ビッグウイングでプライベートイベント「DISわぁるど in 山形」を開催した。昨年11月の福岡県北九州市での開催に続くもので、今回は「視て! 聴いて! 触れて! 体感!! やまがたIT Summer2013~最新ITテクノロジーが創るビジネスソリューションの世界~」と題し、クラウドサービスの販社モデルや最新のソリューションを展示したのに加え、教育ICTゾーンやアップルブースで模擬体験ができる特設コーナーなどを設けた。

「DISわぁるど in 山形」の会場となった山形ビッグウイング。初日は800人以上が来場した

 出展したのは、PCモバイルやサーバー・ストレージ、ソフトウェア、教育ICT、ネットワーク・セキュリティ、プリンタなどに関連する111社。DISは2日間で1000人以上の来場を見込んでいるが、初日だけで800人を超えた。山形県内の事前登録だけで1000人を超え、地元の販売会社がユーザー企業を同伴するケースが多いという。

 展示では、教室に見立てた12席のコーナーで、電子黒板やタブレット端末を使って学校の導入状況に合わせて段階的に活用する体験型模擬授業「School Innovationセミナー」を1日8回実施。また、アップルジャパンの「AppleSolution」でも、ワークスタイルの変革に関して実機を使った体験ができる。出展ゾーンは10に分類し、来場者はルートに従って巡回している。

学校向けゾーンでは、普通教室に見立てたコーナーで最新のICTを使った実際の授業が体感できる

 ソリューションは、DISと連携した販社にメリットのあるチャネルモデルのクラウドサービスや、マイクロソフトのWindows XPのサポート切れに関連したバックアップ/ストレージなどで新しいソリューションを披露。移行に関連しては、日本マイクロソフトとインテルのブースの間の相談コーナーで、ユーザー企業や販社が両社の担当者に移行に伴う課題などを相談する姿が見られた。また、山形県内には製造業が多いことから、産業用ロボットやいま話題の3DプリンタやCADなどに関係する出展もあった。

 DISのブースでは、2014年4月9日のWindows XPサポート終了に伴う「Windows 7環境移行サービス」と「大量展開サービス」を売り込んでいた。前者は、「Windows 7」への移行に伴う導入計画、事前検証、展開、環境移行、保守までのプロセス全般にわたって支援するサービスで、Windowsのセットアップや旧PCのデータ移行/アプリケーションのインストールをフルセットで行う。後者は、DIS物流センター内でPCをクローニングし、ユーザーが作成したマスターPCのイメージを大量台数に展開・複製する。

 DISグループ会社のディーアイエステクノサービスでは、中古パソコン販売サイト(楽天市場店)で、法人向けにXPのサポート切れなどの中古PCや液晶ディスプレイ、プリンタなどの機器を買い取るサービスを開始。廃棄機材を循環し再利用するだけでなく、ユーザー企業の廃棄費用を削減し、マニフェスト伝票の起票・管理が不要になるなどのメリットがあるという。DISの担当者は、「今年10月がXP移行の山場になるが、直前に申し込まれても機器の納品が間に合わない可能性がある」と、ユーザー企業に早期の対応を促していた。

XP移行直前とあって、PC・モバイルゾーンでは多くの来場者が足を止め、説明を聞いていた

 OSの移行に関連しては、バックアップソフトベンダーのアクロニス・ジャパンが「Windows XP 移行ソリューション」を来場者に訴求していた。これはXP環境を丸ごとバックアップして、必要なデータを抽出してWindows 7/8搭載のPCの適切な場所に格納するもの。また、8月末まで「Windowsバックアップキャンペーン!」を実施。「Acronis Backup & Recovery 11.5 Server for Windows」のライセンス版を購入したユーザー企業には、1ライセンスごとにバックアップと障害復旧ソリューション「Acronis Backup & Recovery 11.5 Workstationボックス版」を3本無償提供する。

 Windows XPのサポート終了を受け、日本マイクロソフトは、ライセンスモデルを安くした注力商品の「Office 365」をWindowsタブレットで体験できるよう展示。また、「Windows Server 2012」や「Windows 8」を搭載したPCの新モデルの展示では、エイサーが開発したWindows 8で世界初の8インチのタブレット端末「Iconia W3」が注目を集めた。

WindowsタブレットPCを並べた日本マイクロソフトのブース。エイサーの世界初の8インチタブレット端末「Iconia W3」が注目を集めた

 流通卸のDISが、メーカーやクラウドサービスベンダーと協業した製品が多く出展していたのも、特徴の一つだ。例えば、オレガは自社製品のストレージ仮想統合ソフト「VVAULT Basic」でNTTコミュニケーションズと協業し、クラウドサービス「BizCITY」を使った「クラウドバックアップサービス」を月額3万9800円で提供。ディザスタリカバリやBCP対策などの用途で利用を促進する。担当者は、「大容量のストレージからソフトまで込みで、安価なバックアップを実現した。導入すれば、すぐに完全同期ができる」と語る。このサービスをDISと連携して二次店へ展開。「売り切りモデルで月額課金制だが、販社にはストックが積み上がる」と、サーバー商材の商流に乗ることを期待する。

オレガはNTTコミュニケーションズ、DISと協業してクラウドモデルを構築

 ニフティは、DISと協業したタブレット端末用のクラウドサービス「NIFTY Cloud SaaS Series」を本邦初公開。サードパーティのソフト会社が提供するMDM(モバイル端末管理)や、ファイル共有などのアプリケーションを箱のパッケージに入れ、DISの販社が顧客へ直接売る仕組みだ。パッケージ自体は一定期間試用できて980円で、継続利用する場合はアプリ別に月額で課金する。ニフティは「8~9月頃までにDIS経由での販売を開始し、年内に20アプリ程度を揃える」としている。中小企業へクラウドサービスを拡大する秘策といえる。

ニフティはDISと連携したパッケージで二次店にクラウドサービスを売る

 前々回の「DISわぁるど」からDISとの関係を強化してきたデルは、パソコン、タブレット、サーバー、ネットワーク、液晶ディスプレイを展示。夏をイメージし浴衣姿のコンパニオンを立て、実機に触れるよう誘導していた。担当者は、「液晶ディスプレイは国内シェアNo.1だが、あまり知られていない。2年前から統合ソリューションベンダーであることを宣言しているが、とくに東北地方では認知度が低いので、今回の『DISわぁるど』で知られるようにしたい」と述べ、DISと連携した「認定販売店プログラム」の紹介もあわせて行っていた。

デルのブースは夏一色。ハードウェアを中心に実機を並べて認知度向上を図った

 ジェイズ・コミュニケーションは、米ラッカスの無線アクセスポイント製品「Ruckus Wireless Smart Wi-Fiソリューション」を訴求。KDDIがauのWi-Fiスポット用に14万台程度導入した機器として知られる。担当者は「信号パターンをリアルタイムに制御して干渉や障害物を回避するなど、干渉の激しい環境でもスループットを維持できる」として、電子黒板やタブレット端末など、一度に大量の端末で無線LANを使用する学校環境下などでも有効利用できる「教育市場向けスマート、Wi-Fiソリューション」としても提案していた。

ジェイズ・コミュニケーションは無線アクセスポイントを学校向けに訴求

 ネットワーク・セキュリティゾーンでは、最近法人向け製品を強化しているカスペルスキーが企業ニーズに合わせたラインアップで、エンドポイント全体のセキュリティを一元管理する安全・シンプルで簡単なソリューションを提案。キヤノンITソリューションズは、マルチプラットフォーム/ユニライセンスでより幅広く対応したセキュリティソフト「ESET」を訴求している。ネットギアジャパン合同会社は、東北地方向けに災害対策に関連するストレージ製品を提案している。

 地域特性を考えた展示として、ソリューションゾーンで武藤工業がパーソナル3Dプリンタの新製品「Cube X」の実機を置き、複雑な形状の造形を実演していた。またエプソン販売は、プリンタやプロジェクタ関連の製品に加え、今回初めて産業用のコンパクト6軸ロボット「C4 Series」を設置。担当者によれば、「今回からDISの商流で販売することになった」という。

エプソン販売は、産業用ロボットを初展示

武藤工業はいま話題の3Dプリンタを披露

 初日の基調講演は、インテルの宗像義恵副社長による「革新的なワークスタイルとインテルの戦略」。PCに代わってスマートデバイスがモビリティの大半を占めるようになり、インテルのチップ戦略が大きく変わったことを告げ、「PCの時代、当社の顧客はメーカーだった。だが、これからは使う顧客の要望を聞き、それを実現するものづくりが求められる」と、プロダクトアウトからマーケットインに方向転換した米本社の新社長の方針に従い、日本国内のロードマップを見直すことを明らかにした。(谷畑良胤)