SAPジャパン(安斎富太郎社長)は、8月27日、クラウド型ERP(統合基幹業務システム)スイート「SAP Business ByDesign」を日本市場向けに11月に提供を開始すると発表した。6月5日に発表したクラウド事業本格参入の重要な戦略製品の一つとなる。

 「SAP Business ByDesign」は、会計管理や人事管理、購買管理、プロジェクト管理、生産管理、在庫管理、販売管理など、35の業務プロセスをカバーする統合型のビジネススイート製品。海外では2007年に提供を開始し、すでに16カ国/1000社での導入実績がある。日本市場への投入が遅れた背景を、バイスプレジデントでクラウドファースト事業本部の馬場渉本部長は「数年前までは基幹業務をクラウドでやりたくないという声が多かったが、ここにきて変わってきた。今が非常にいいタイミングだ」と明かした。

 ターゲットは、グローバル企業の中小規模拠点。「中小企業向け」とはしておらず、本社や大規模拠点で「SAP Business Suite」を導入している企業が対象だ。馬場本部長は、「小規模企業でも、本社にはすべての機能が必要。そのきめ細かさをクラウドに求めるのは危険だ。中小規模拠点なら、基本的なオペレーションで対応できる」とその理由を述べた。

 「SAP Business Suite」を全拠点に導入し、シングルインスタンス(単一管理)を実現するのが企業統治からもみても理想だが、運用負荷や投資対効果などの理由で中小規模拠点での導入は難しいのが現実。そこで、クラウド型ERPの投入によって、シングルインスタンスのニーズに応えようという製品だ。シームレスに連携するので、ティア1が「SAP Business Suite」、ティア2が「SAP Business ByDesign」という2層のERPでシステム統合を実現する。(畔上文昭)
 

バイスプレジデント クラウドファースト事業本部の馬場渉本部長