クララオンライン(家本賢太郎社長)は、中国で企業向けクラウドサービスを本格的に立ち上げる。ニフティクラウドのエンジンを活用したもので、中国でのサービス名は「鴻図雲」。これまでITインフラ構築サービスは中国で提供していたが、クラウドサービスを立ち上げるのは今回が初めて。独立系ベンダーのポジションを生かし、中国の主要5通信キャリアと接続し、「中国のどこからでも快適に使えるクラウドサービス」(クララオンラインの大向学・グローバルソリューション事業部長)に仕上げた。

大向学 事業部長
 企業向けクラウド「鴻図雲」は、クララオンラインが、中国でこの8月に本格的に提供を開始したサービスで、パブリッククラウドサービス「ニフティクラウド」のエンジンを活用したもの。データセンター(DC)は、太いネットワーク回線が集中する北京にある設備を借りて主要5通信キャリアと接続しているのが特徴だ。ニフティクラウドのエンジンを海外に持ち出して活用するのはクララオンラインが最初で、クララオンライン自身も中国で本格的なクラウドサービスを始めるのは初めてだ。

 中国の主要5通信キャリアは中国電信、中国聯通、中国移動の3大キャリアと、科技網と教育網の計5キャリア。中国の3大キャリアは得意とする地域が分かれていて、科技網や教育網も「必ずしも科学技術系、大学・教育機関系とは限らず、とても複雑に入り組んでいる」(大向事業部長)ことがわかっている。クララオンラインの本業であるインターネットサービスの知見を生かし、中国のネットワーク構造を詳細に研究。広大な国土をもつ中国のどこからでも快適に「鴻図雲」が使えるように設計した。

 すでに自動車関連ユーザーや通信ゲーム会社などから引き合いがきており、「企業ユーザーが満足できる高品質のサービスに一段と磨きをかけてきたい」と、意欲をみせている。鴻図雲はマネージドクラウドサービスと呼ばれる形態を採っており、基本的にはクララオンラインが積極的にシステム運用を担う。一般的なパブリッククラウドは顧客の手で運用する方式が主流だが、鴻図雲はクララオンラインが中国で提供する総合的なネットサービスの一翼を担うかたちで機能させる。こうした取り組みによって、今後3年で300社の企業ユーザーの獲得を目指す。(安藤章司)