日本ヒューレット・パッカード(日本HP、ジム・メリット社長)が、セキュリティ事業の強化に取り組んでいる。サイバー攻撃を防ぐ不正侵入防御システム(IPS)「TippingPoint」を商材としてユーザー企業に入り込み、ほかのセキュリティ製品の販売に結びつける。

今村康弘
担当部長
 日本HPは、米国本社の積極的な企業買収によって、ネットワークへの攻撃を防いだり、業務アプリケーションのぜい弱性を見つけたりするなど、あらゆるセキュリティ製品を揃えてきた。しかし、ハードウェアメーカーというイメージが強いこともあって、セキュリティ事業の認知度が低いという課題を抱えている。その課題を克服するために、直接販売の部隊が提案活動に力を入れるほか、販売パートナーを巻き込んで間接販売の活性化に動く。

 情報システムが複雑化するにつれて企業を狙うサイバー攻撃も多様化していることもあって、セキュリティに対するニーズは旺盛だ。調査会社のIDC Japanによると、2013年の国内セキュリティ製品市場は前年比11.2%増で、2476億円に拡大した。今後も成長の見込みがあり、18年には、ソフトウェアがけん引するかたちで、3011億円に伸びると予測されている。

 日本HPが狙うIPSの市場では、日本IBMやマカフィーなど、強力な競合企業がひしめく。そんな環境下で、日本HPは「HP製品は運用しやすく、運用コストの削減ができる」(HPソフトウェア事業統括マーケティング本部ビジネス推進の今村康弘・担当部長)ことを訴求し、ライバルとの違いを明確にする。

 日本HPのセキュリティ製品の間接販売では、SCSKや日立システムズなど、大手のシステムインテグレータ(SIer)が1次販売店として力を発揮している。日本HPは、現在、パートナーに対するサポート体制の強化に取り組んでいる。この充実した支援策によって2次販売店を増やし、事業の拡大につなげる。

 IDC Japanは、企業のセキュリティ対策は「生産性を高めるための攻めの対策に変わる」(登坂恒夫・ソフトウェア&セキュリティリサーチマネージャー)と指摘する。日本HPは、セキュリティをほかの製品と組み合わせて、いかにユーザー企業の生産性を高めることができるか。これが、成功のカギを握る。(ゼンフ ミシャ)