日立ソリューションズ(佐久間嘉一郎社長)は、主力製品で、文書管理や電子帳票などで構成する「活文」事業のテコ入れを進めている。キーワードはソーシャルとコラボレーション。従来の管理中心の機能から、協業やグローバルを強く意識した製品に変えていく。この夏にソーシャルやコラボレーション機能を追加したのに続き、既存製品も順次、グローバルで通用しやすい名称に変更を加える。こうした取り組みによって今後3年で「活文」事業の売上高を2倍近くに伸ばす考えだ。

石原繁樹
プロダクトソリューション事業部
副事業部長
 「活文」は文書管理や電子帳票、ドキュメント管理など複数のコンポーネントで構成するソフトウェア製品だ。それぞれのコンポーネントの累計の納入社数は3200社を超えており、日立ソリューションズの看板商品になっている。だが、ここ数年は「活文」関連事業は緩やかな成長にとどまっており、直近の年間売上高はおよそ80億円。同社では、これを向こう3年で150億円へと、倍増近く伸ばしていく取り組みとして、ソーシャルやコラボレーション機能、そしてグローバル対応の強化を図っている。ソーシャルでは、「活文」によってやりとりした文書や図版に紐付けるかたちで、プロジェクトに参加している人同士が会話を進めたり、コンテンツのバージョンや更新差分の確認を容易にしたりする(画面イメージ参照)。

 これまでは文書管理は文書管理で独立して存在し、この文書に関するコミュニケーションは電子メールや電話が中心だった。これからはコンテンツを管理したうえで、「社内外、国内外とのコミュニケーションを促進していくことで、プロジェクトをより活発にする」(日立ソリューションズの石原繁樹・プロダクトソリューション事業部副事業部長)ことに重点を置く。プロジェクトを活性化することによって、新しいアイデアが生かされやすい土壌を醸成し、ユーザーのビジネスを成功へ導くのが狙いだ。

 同社ではもう一つ、手書きのメモを画面上に表示して共有する仕組み「活文 Team Idea Sharing」も採り入れた。前述のソーシャル機能は「活文 Managed Information Exchange」で、同社が開発した企業向けソーシャルメディア製品「InWeave(インウィーブ)」が技術的バックボーンになっている。また、手書き部分については、同じく同社の電子黒板「StarBoard(スターボード)」の技術を応用した。

 一連の刷新で意識したのは、グローバル市場への対応強化だ。「活文」を構成するコンポーネントの一つである高速ファイル転送機能については、すでに世界50か国・地域への納入実績があり、石原副事業部長は、「将来は活文関連事業全体の海外売上高比率を20%ほどに高めたい」と意欲を示している。

 日立ソリューションズは、マイクロソフトのERP(統合基幹業務システム)「Dynamics」シリーズを積極的に海外展開するとともに、欧米や中国・インドなどに拠点を展開。「活文」も海外ビジネスの柱の一つに育てていくものとみられる。(安藤章司)

(左)ソーシャル機能を担う「活文 Managed Information Exchange」
(右)手書きメモ共有機能を担う「活文 Team Idea Sharing」