【上海発】中国ローカルIT企業の上海啓明(呉偉総経理)は、子会社の上海啓明クラウドを通じて、クラウド型の監視カメラソリューションの開発・提供に力を入れている。上海啓明は、これまで中堅SIerのアイネット(梶本繁昌社長)との合弁会社を通じて対日オフショア開発を手がけてきたが、呉総経理は「現在はオフショア開発ではなく、中国国内向けの自社サービスの提供に舵を切っている」と説明する。

 上海啓明は、中国国内向けにITソリューション・サービスを提供しているSIer。2004年に、アイネットと合弁で、従業員数約70人の上海啓明聯和計算機技術を設立し、日本向けオフショア開発を手がけてきた。しかし、人件費の高騰や円安元高によって、オフショア開発の市場環境が厳しくなったことから、「現在は合弁会社の従業員の大部分を削減し、オフショア開発はほとんど行っていない」(呉総経理)という。

 新たな収益モデルを打ち立てるために、2011年に子会社として上海啓明クラウドを設立。現在、約15人体制で、クラウド型監視カメラソリューション「啓明雲監控」の開発・提供に力を入れている。これは工場や店舗などに設置した複数のカメラの映像を、スマートデバイスを通して一元的に閲覧・管理するソリューションで、カメラの映像に動体が入り込んだ際に、管理者のスマートデバイスに自動で通知する機能や、画像として保存する機能などを備える。

 中国には、監視カメラソリューションを手がけるITベンダーが多く存在するが、呉総経理は、「オンプレミス型で提供している企業が多く、『啓明雲監控』のようにクラウド型でスマートデバイスから監視できるソリューションはまだ少ない。すでに中国の大手建設会社や空港、大学、飲食店などで、大規模ユーザーの導入実績がある」とアピールする。上海啓明は、今後、「啓明雲監控」に温度感知や音声感知などの機能を追加していくという。(上海支局 真鍋武)

呉偉総経理