【北京発】NEC(中国)(日下清文総裁)は、中国の個人向け健康機器市場に参入する。7月に発表した簡易糖質計「健糖宝」(仮称)に加えて、低圧迫・高精度の血圧計を開発し、両製品を2015年中頃に発売する。日下総裁は、「中国の健康マーケットは巨大。ニーズがあるものは、日本に優先してチャレンジしたい」と意欲を示している。

 NEC(中国)は、ITを活用した次世代都市「スマートシティ」の「健康(ヘルスケア)」分野を重点領域にしている。中国は、60歳以上の高齢者人口が2億人を突破し、今後も毎年約1000万人ずつ増加していく見込み。また、経済成長に伴って富裕層が増えたことで、品質の高いヘルスケア製品に対するニーズが高まっている。

 「健糖宝」は、センサの活用によって、手のひらを数秒間かざすだけで血糖値を測定することができる糖質計。従来、血糖値の測定に必要だった採血の必要がない。7月の発表時点では試作品段階だったが、現在は最終製品化に向けて調整中だ。

 血圧計は現在開発中で、10月にNECが発表した低圧迫・高精度の測定ができる「低負荷血圧測定技術」を採り入れる。日下総裁によると、「従来のように、腕を締めつける腕帯で血管を強く圧迫することなく、高精度で血圧を測定できるようになる」という。これによって、日常生活下や就寝中など、一日を通して血圧データの取得ができるようになる。糖質と血圧のデータをクラウド上に保管して、ユーザーが分析できるサービスも提供する。

 NEC(中国)が中国の個人向けに健康機器を販売するのは、今回が初めて。ローカル企業の東陽光集団など、パートナー企業を通して販売する。まずは初年度5万台の出荷を目指す。

 当初は健康機器として販売していくが、中国の医療機器認定取得後は、医療機器として法人向けにも販売する。認定後は、中国国内での生産を検討している。

 日下総裁は、「センサ技術とビッグデータ解析の組み合わせによって、従来は難しかったことを実現できる時代になってきた。現在、息を吹きかけるだけで健康状態を測定できる製品も開発中だ」と語った。(上海支局 真鍋武)

日下清文総裁