国立精神・神経医療研究センター(NCNP、樋口輝彦総長)と日立ソリューションズ(佐久間嘉一郎社長)は、NCNPが2009年に開始した神経・筋疾患の患者情報登録システム「Remudy」をウェブ上で実現する「Remudy WEB患者情報登録システム」を共同開発し、11月26日に運用を開始した。全国規模での希少疾患の患者情報登録システムのクラウド運用は、日本だけでなくアジア圏でも初の取り組み。

 「Remudy WEB患者情報登録システム」は、NCNPの臨床研究や「Remudy」の実績と、日立ソリューションズの匿名化情報管理サービス「匿名バンク」を適用して構築したもの。インターネットを通して、患者主体で遺伝情報を含む病気の情報を登録し、これらの情報を匿名化して活用することで、希少な難治性疾患を克服する治療法や創薬の開発に活用する。

 また、15年3月末までに、日立製作所横浜研究所の検索可能暗号化技術を同システムに適用してセキュリティを強化し、NCNPと日立ソリューションズは複数の研究機関や医療機関が公平に情報を活用できるシステムを提供する。

 「Remudy WEB患者情報登録システム」では、患者がウェブ上で情報を登録や更新することができる。登録した患者は、このシステムを通じてよりタイムリーに研究や臨床試験に関する情報を受け取ることができる。システムの導入は、12年に始まった筋ジストロフィー臨床試験ネットワーク(MDCTN)との連携によって、国際的な治療開発や臨床研究の推進にも大きく貢献する。

 NCNPは、「Remudy」のノウハウを生かして開発したこのシステムを、広く他の疾患へ応用することを進めており、希少な難治性疾患の治験や新しい治療法の開発、病態解明がさらに進むものと期待している。日立ソリューションズは、今後、システムの共通機能のモジュール化や検索可能暗号化技術の適用によって、クラウド上でシステムを提供し、他疾患への応用を支援していく。