【上海発】コアの中国現地法人である上海核心信息技術(上海コア、城戸孝吉董事長)が、中国で農業ITビジネスを開始する。4月をめどに、ほ場の環境センサを活用した農業クラウドサービス環境を立ち上げ、現地の農業関連企業に提案していく。

 上海コアは2001年8月に設立し、現在の従業員数は約50人。2014年度(14年12月期)の売上構成比では、組込みソフトを中心とした対日オフショア開発が8割強を占める。オフショア開発事業は、人件費高騰や円安元高の影響で、大きく伸びる見込みがなく、今後は、IT資産統合管理ソリューション「ITAM」の販売など、中国国内向けの元建てビジネスの拡大に力を入れる。

 中国は、第12次5か年計画で「現代農業の発展加速」「情報化水準の全面的引上げ」を掲げ、最近では、デジタル・チャイナ傘下の神州数碼信息服務が農業IT事業を手がける北京中農信達信息技術を7億1000万元で買収したり、阿里巴巴集團(アリババ)が広東省人民政府とeコマースを活用した農村情報化に関する協議を締結したりなど、農業分野でのIT活用に関する動きが活発化している。上海コアは、こうした動きを商機と捉え、日系IT企業の先陣を切って中国の農業ITビジネスに参入する。

 上海コアの農業クラウドサービスは、コア日本法人の「アグリソリューション」をローカライズして提供。ほ場に設置した各種センサから温度や湿度、照度、土壌状態などの環境データを自動収集し、スマートフォンやタブレット端末上で閲覧・管理したり、データを分析したりできる。クラウド環境は、コア日本法人のM2Mクラウドサービスプラットフォーム「RevivetTally」を、上海コアのパートナー企業が保有するデータセンター(DC)上に構築することで、日本と同等の高品質を実現する。

 中国の農村は、成り立ちや法制度、規制などが日本と大きく異なる。城戸董事長は、「中国の農業関係者の意見や要望を取り入れるためには、まずサービスを目に見えるかたちにすることが不可欠」として、クラウド環境を立ち上げ後にサービス詳細やマーケティング・販売戦略などを策定するための調査を実施していく。現時点では、大学や研究機関との共同開発や、地場のSIerを通じての間接販売を検討している。(上海支局 真鍋武)

城戸孝吉董事長