ビジネスシーンで活用するモバイルアプリ開発を効率化したいという要望に応えるのが、グレープシティが5月21日にリリースした「Xuni(ズーニー)」だ。

 一般消費者向けのモバイルアプリと違って、企業向けのモバイルアプリはユーザー数が限られる。しかも、iOSやAndroid、Windows PhoneなどのモバイルOS、スマートフォンやタブレット端末といったモバイルデバイスへの対応を考慮するのも容易ではない。

 Xuniは、クロスプラットフォーム開発を可能にする「Xamarin(ザマリン)」に対応したモバイルアプリの開発用ネイティブコントロールセットだ。複数のモバイル環境に対応した開発環境はいくつかあるが、Xamarinはネイティブアプリケーションの優位性を保つことができ、開発生産性も向上するとして注目度が高い。また、Windowsの開発環境でモバイルアプリを開発できるところも、Xamarinの特徴である。ビジネス向けのシステム開発では、Windows環境に慣れている開発者が多いという点でも、Xamarinの人気を支えている。

XamarinとXuniを利用したアプリケーション開発

 Xuniは、Xamarinでアプリを開発するにあたって、ビジネスシーンを想定した高度な部品を提供する。今回リリースしたXuniは、データ可視化に重点を置いている。提供するコンポーネントは、棒グラフなどのチャートを表示する「FlexChart」、円形グラフを表示する「FlexPie」、ゲージやブレットグラフを表示する「Gauge」の三つ。これらコンポーネントを提供することになった背景について、グレープシティの福地雅之・第2ツール開発事業部販売促進部製品ブランド推進室プロダクトマーケティングマネージャーは次のように語る。「Windows環境の開発者から、Xamarin向けのコンポーネントが欲しいという問い合わせがくるようになった。エンタープライズ分野でも、モバイルアプリに対するニーズが増えてきているが、Windows環境に慣れていても、iOSやAndroidには不慣れなことから、モバイル系の開発で困っているITベンダーが多い。そこをXuniのようなツールで解決していきたい」。

 Xuniは定額制のサブスクリプション方式で提供している。年間で3回のメジャーバージョンアップを予定していて、9月には表計算ソフトのような表示ができるデータグリッドなどのコンポーネントの追加を予定している。

 現時点ではXuniを利用するにあたってXamarinが必要だが、第2ツール開発事業部販売促進部広報室の早坂有紀子氏によると、近い将来は「Objective-CやJavaなどの開発環境に対応したライブラリもリリースする予定」という。これまでWindows系の開発支援ツールで高い評価を得てきたグレープシティだが、Xuniをきっかけとして、今後はモバイル系の開発会社などにも販路を広げていく予定である。(畔上文昭)

グレープシティの福地雅之・第2ツール開発事業部販売促進部製品ブランド推進室プロダクトマーケティングマネージャー(写真右)、第2ツール開発事業部販売促進部広報室の早坂有紀子氏