【上海発】沖電気工業(OKI、川崎秀一社長)は、剥がせるキーボード、布カバーキーボードを開発した。医療現場など、清潔さが求められる場面での利用を想定している。中国グループ会社の日沖電子科技(昆山)が生産し、まずは中国市場で展開していく。

 7月8~10日に開催された「2015第十六届上海国際医療器械展覧会」で公開した。剥がせるキーボードは、キートップに紙素材を採用。これを幾重にも重ねて、汚れるたびに使い捨て感覚で剥がして利用する。布カバーキーボードは、キートップの布カバーを汚れるたびに取り外し、洗濯して再利用する。

布カバーキーボードはFPCを採用することで、洗濯したり、丸めて持ち運びしたりできる

 また、布カバーキーボードの配線板には、内視鏡などに使用されている沖電線のフレキシブルプリント配線板(FPC)を採用した。FPCは、従来のプリント基板(PCB)と比べて薄く、柔軟性にすぐれる。高木康・海外営業本部営業第一部キーボード営業チーム担当部長は、「腕に巻きつけるなど、ウェアラブルツールとして活用したり、小さく丸めて持ち運んだりすることもできる」とアピールする。

剥がせるキーボードを紹介する高木康・海外営業本部営業第一部キーボード営業チーム担当部長

 OKIがこうした新キーボード開発を進めている背景には、ノートPC市場の低迷がある。OKIはノートPC向けキーボードの大手で、日沖電子科技(昆山)では、これまで累計3600万台のキーボードを出荷している。しかし、高木担当部長は、「ノートPC向けのキーボード市場は、右肩上がりの状況ではない。ここをベースにしたビジネスのままではいけない」と説明。調査会社のMM総研によると、2014年度(14年4月~15年3月)の日本国内のパソコン出荷台数は前年度比23.6%減の1260万9000台。調査会社のICT総研では、2015年度(14年4月~15年3月)にタブレット端末の年間出荷台数がノートPCのそれを逆転すると予測している。キーボードの多角化によって、OKIは事業を拡大させる戦略だ。(真鍋武)