プライム・ストラテジー(中村けん牛・代表取締役)は、CMS(コンテンツ管理システム)のWordPressを動作させることに最適化した仮想マシン「KUSANAGI」を発表した。マイクロソフトのAzureなど主要パブリッククラウドサービス上で順次公開するほか、KUSANAGIを利用したウェブ構築・運用サービスを展開する。

中村けん牛
代表取締役
 KUSANAGIは、WordPress自体に加え、その動作に必要なミドルウェアやアプリケーション実行環境をインストール済みの仮想マシン。WordPressを高速に動作させることを目的とした最適化が施されており、ページキャッシュ非使用の環境でも1秒間に1000以上のリクエストを処理可能な性能を有しているという。

 WordPressを使用すると誰でも高機能なウェブサイトを構築できるが、サーバーの構成やコンテンツによっては十分なパフォーマンスが得られず、とくに大規模なサイトにおいてはページ表示速度の低下によるユーザーの離脱や検索エンジンでの順位低下、インフラ費用の増大といった問題につながることがある。

 プライム・ストラテジーはウェブサイトの構築、ウェブシステムの開発および運用・管理を事業としており、当初は自社製のフレームワークを使用した開発を行っていたが、2008年にWordPressを全面採用する方針へ転換。以来蓄積してきたノウハウを元にKUSANAGIを開発した。

 同社の中村代表取締役によると、「最適化が行われていないWordPressコンテンツの場合、KUSANAGI上に移行するだけでも数倍から10倍程度のパフォーマンスが得られることがある」という。KUSANAGIは7月からAzureの仮想マシンカタログに登録され、無償で利用可能となっており、今後IDCFクラウド、Cloud n、S-Portクラウドサービス、Amazon Web Servicesに順次対応する予定。

 同社ではウェブ開発者に広くKUSANAGIを利用してもらい、WordPressインテグレーションの技術力をPRしていく方針。KUSANAGIに用いた技術のOEM提供や、SIerとの新たなパートナーシップの構築も視野に入れる。

 また、KUSANAGIを利用したウェブサイトの開発、既存WordPressサイトからの移行、サーバー運用、チューニングなどを包括的に請け負う「KUSANAGIフルマネージドサービス」を開始した。サーバーからアプリケショーンまで一括管理することで性能のボトルネックを解消し、ソースコードの見直しやデータベースの最適化など、コンテンツ部分に対してもWordPress向けのチューニングを行うため、単に環境をKUSANAGIに入れ換えるだけに比べて、一層の高速化が期待できるとしている。(日高彰)