ネットワールド(森田晶一社長)は、9月30日、人材総合サービスのフルキャストホールディングス(坂巻一樹社長CEO)が、ネットワールドが提供する「VMware Horizon View」により、全国106拠点・1000人のスタッフが利用するクライアントPCをVDI(仮想デスクトップ基盤)化し、また、高いコストパフォーマンスで性能を向上させるためにハイブリッドストレージソフトウェア「VMware Virtual SAN」(VSAN)を採用したと発表した。

 今回のプロジェクトは、Windows 7への移行を機に実施したもので、単純な物理PCの入れ替えではなく、情報漏えい対策などのセキュリティ強化、ワークスタイル変革やBCP対策にも貢献することから、VDI環境の構築を決定した。新しいVDI環境は、5月から段階的に本番稼動を開始しており、年内には全端末を完全移行する予定。

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 システムの構築・サポートは、ネットワールドのパートナーであるデル(平手智行社長)が担当した。システムの構築にあたっては、VDIやVSANに精通したネットワールドのエンジニアによるサポートが高く評価された。また、フルキャストからは、VDIの豊富な導入実績をもとに、VDI運用を見据えたデスクトップ展開方法のアドバイスや、印刷等の通常業務に関する注意点など、業務効率化に役立つ実践的で実用的なテクニックなどを提供したことに対して評価を得ているという。

 これまでフルキャストグループでは、サーバー仮想化基盤としてVMware vSphereを利用しており、その実績や信頼性を高く評価し、親和性や一括保守の観点から「VMware Horizon View」を選択した。サーバーは、「DELL PowerEdge R720xdラックサーバー」を11台導入。予備機1台を除く10台のサーバーに各100人分の環境を収容し、合計1000ユーザー分の環境をまかなっている。また、オフィス利用向けにゼロクライアント端末を800台導入したほか、社外利用の多い営業担当者用には「Windows Thin PC」を搭載したノートPC 200台を導入した。

 また、大量の端末からのアクセスが集中するVDIでは、ストレージのI/O性能が重要であることから、次世代型ハイブリッドストレージソフトウェア「VSAN」を採用した。「VSAN」は、仮想基盤を提供する各サーバー内蔵のSSD/HDDをプール化すると同時に、高速なSSDをリード/ライトバックキャッシュとして利用可能にするため、高価な共有ストレージを導入することなく、高い性能と信頼性を確保できる上に、性能や容量が不足した場合も、サーバーを追加していくだけで簡単にスケールアウトすることが可能となっている。

 新たなVDI環境が稼働を開始したことで、万一PCが盗難・紛失被害に遭った場合にも、情報漏えいなどのリスクを軽減することができ、課題となっていたセキュリティ強化を実現した。また、自宅からでも安全に業務環境を利用できることから、隙間時間の活用や女性の活躍推進、自然災害への対応などにも大きな効果が期待されている。

 運用管理工数も大幅に削減しており、1000台のうち800台は、リンククローン方式を採用することで、端末の展開にかかる作業は以前の約1/5程度の時間で行うことができるようになった。さらに、デスクトップ環境がデータセンター側に移行したことで、ファイルサーバーなどへのアクセスが速くなったことや、日中にウイルス対策ソフトによるフルスキャンがなくなりOSの動作が遅くなることがなくなったことから、エンドユーザーである社員からも好評を得ているという。

 フルキャストグループは、今後、VDI環境のマイクロセグメンテーション化を実現する「VMware NSX」などの導入も検討し、さらなるセキュリティ強化を図る計画。