イトーキ(平井嘉朗社長)は、オフィスの机上など限られたエリアに電波を届けられるシート型無線LANの新製品「LANシート ライト」を、2016年1月から販売する。従来製品の「LANシート」から厚みを半分以下に薄型化したほか、近接コネクタと呼ばれる機器1台で2ストリームの高速通信に対応するなど性能強化を図った。

 ネットワークに接続したLANシートを机の上に敷くと、机の上に乗せた(またはごく近い位置にある)機器とのみ通信可能な無線LANネットワークを構築できる。ネットワークに接続可能な場所を限られた範囲に制限できるので、外部からの社内ネットワークへの不正侵入や、通信内容が傍受される可能性を大幅に削減することができる。また、部屋全体に電波を飛ばす通常の無線LANに比べ、無線出力は1000分の1程度となっており、同じ部屋の中に複数の製品を設置しても電波の干渉が小さいため、端末数が多い環境でも高速・高密度の無線ネットワークを構築できる。

 新製品のLANシート ライトは、従来約2.6mmだったシート厚を約1mmに削減し、机上に設置した際に机の面との間にできる段差を小さくした。さらに、従来は802.11n規格で2ストリームのMIMO技術を用いて通信を行う際、シート内に電波を送り込む近接コネクタを2台使用する必要があったが、新製品では1台で2ストリーム(最大300Mbps)の通信が可能となった。そのほか、従来はグレー系だったシート素材の色をホワイトに変更し、オフィス家具になじみやすい外観にした。

「LanSheet Light」(中央の帯状の部分)を設置したオフィステーブル

 同社ICTメディア研究開発室の秋山恵室長は、LANシートを利用することで有線LAN並みの安全性を確保しながら、ケーブル接続のわずらわしさがない無線LANの利便性を享受できると説明。さらに「オフィス全体の無線LANとは別に、社外パートナーとの共同作業スペースに、ゲスト用ネットワークを構築するといった使い方も可能」(秋山室長)としており、昨今のオフィスで多様化するワークスタイルに対応できる製品として訴求を図る。加えて、IT製品展示会の会場など、多数のアクセスポイントの電波が飛び交う空間での無線LAN環境を改善したいといったニーズでも、引き合いが多いという。

 同社では、会議机やカウンターなどのオフィス家具にLANシートを組み込んだ形態での提供も行い、オフィス空間プランニングの幅を広げるツールとして、LANシートを活用していく。また、ペーパーレス会議やウェブ会議などのシステムと組み合わせたソリューション提案を拡大するため、SIerやオフィス機器販社との連携も強化していく考え。(日高彰)

イトーキ・ICTメディア研究開発室の秋山恵室長(左)と、製品の企画・開発を担当した同開発室の川村正太郎氏(中)、ICT事業企画開発室の西川政行プランナー(右)