【烏鎮発】中国の大手ITベンダーが、ITインフラの輸出を主な目的として、中国政府が提唱するシルクロード経済圏構想「一帯一路」関連のビジネスに力を注いでいる。データセンター最大手の世紀互聯(21vianet、陳昇董事長兼首席執行官)は、12月16日、産業パーク建設・運営を手がける清華大学傘下の啓迪ホールディングス(王済武総裁)と共同で、「“一帯一路”デジタル発展投資基金」の設立に関する協力覚書を締結した。(真鍋 武)

世紀互聯
陳昇董事長兼首席執行官
 「一帯一路」とは、中国から欧州までをつなぐ新経済圏を構築して、経済や貿易の拡大・強化を図る構想。陸路の「シルクロード経済ベルト」と海路の「21世紀海上シルクロード」で構成される。中国政府は、沿路上地域に対するインフラ輸出を推進しており、調査会社のIDC中国では、「一帯一路」がもたらすICT投資総額が3000億元規模になると予測している。

 「“一帯一路”デジタル発展投資基金」の設立は、12月16日に烏鎮で開催された「世界インターネット大会」の「一帯一路」関連分科会で発表された。同基金の全体規模は100億米ドル。基金は、「一帯一路」の沿路上国家のITインフラ建設、デジタル産業園区、ビッグデータ・クラウド・IoT・インターネットの中小企業などの発展に充てていく予定だ。世紀互聯と啓迪ホールディングスには、産業発展に貢献することで、沿路上国家でのビジネスをやりやすくする狙いがある。すでに啓迪ホールディングスは、パキスタン・ロシア・エジプト・マレーシア・タイなどの国家とデジタルスマートテクノロジーパークの建設で協業している。

 世紀互聯の陳董事長は、「われわれは国内の先進的な専業インターネットインフラプロバイダとして、国家の“インターネット強国”戦略に協力する。重厚なインターネットインフラ資源、卓越した保守運営サービス力、豊富な業界経験をベースに、国家の高速・モビリティ・安全・汎用的な次世代情報インフラ設備の構築を支援する」と説明し、今回の基金設立が政府の方針に則ったものであることを強調した。また、「基金の設立は、『一帯一路』沿路国家の情報インフラの構築とデジタル経済の発展に役に立つものであり、沿路各国・各企業間の共同構築・シェアリングとWinーWinの協力を促し、人々に恩恵をもたらすものだ」と述べた。

 同分科会には、このほか大手ハードウェアベンダーの浪潮集団(Inspur)や中興通訊(ZTE)、国智恒北斗科技集団も参加した。このうち浪潮集団は、経済成長が著しい東南アジアだけでなく、ロシアやカザフスタン、キルギスタン、イランなど、中央アジア地域でのビジネスにも意欲を示しており、ロシアでは約500社のパートナー網を構築している。