サーバーメーカーのエーティーワークス(伊東孝悦代表取締役)が、スウェーデンのネットワーク・セキュリティ機器メーカー「クラビスター」のファイアウォール製品の取り扱いを本格化させている。製品名は「Clavister(クラビスター)」シリーズで、小型軽量な独自アーキテクチャによるソフトウェアで構成されているのが最大の特徴である。エーティーワークスは、組み込みソフトに似た軽量さがあるClavisterの活用の幅の広さや、将来性を高く評価。「当社の販売チャネルを駆使して本格的に拡販していく」(エーティーワークスの高瀬由照・営業本部本部長)方針を示している。

「Clavister(クラビスター)」のアプライアンス製品

 特定のハードウェアに依存しないクラビスター独自のファイアウォール・ソフトウェアの容量の小ささや動作の軽快さは、CPUへの負荷軽減に大きな役割を果たしている。アプライアンス(専用機器)に組み込んだときでも、大容量のHDD(ハードディスク・ドライブ)やCPUを冷却するファンを必要としない。フラッシュメモリに格納し、冷却ファンを取り付けなくてもすむため、アプライアンス機器そのものを小型化、省電力化できる。

 現時点では、クラビスター製のアプライアンスに格納されたかたち(製品写真参照)での販売形態だが、ソフトウェアのみのライセンス販売の一種である仮想アプライアンス方式(NFV方式)での販売もあわせて検討していく。また、Clavisterはインターネットを経由して、遠隔で保守メインテナンスができる機能も充実していることから、エーティーワークスでは保守サービスのコスト削減にも役立つと期待している。

 販売チャネルは、エーティーワークスのサーバー製品の販売パートナー経由で、主に中堅・中小ユーザーに向けて販売する。また、エーティーワークスが手がけるホスティング・サービスにクラビスターの仮想アプライアンスを組み込んで、処理速度や情報セキュリティの向上に役立てることも検討している。まだ構想段階ではあるものの、サーバーメーカーであるエーティーワークスの強みを生かして、自社サーバー製品にクラビスターの仮想アプライアンスを組み込み、サーバーと統合脅威管理(UTM)機能を組み合わせた新しい製品開発も模索していく。

 当面は、エーティーワークスのサーバー製品の販売チャネルを中心とした、アプライアンス機器方式による中堅・中小企業ユーザー向けの販売がメインとなる見通しで、向こう3年間で3000台ほどの販売を見込んでいる。この間、仮想アプライアンスを活用したサービスや製品の検討や開発も進めていく。Clavisterは、キヤノンITソリューションズ(キヤノンITS)が、2015年11月から国内代理店を担っており、Clavisterを活用したエーティーワークスの商材開発の技術支援も含めた「戦略的な協業関係」(キヤノンITSの崎山秀文・セキュリティソリューション営業部部長)を構築していくことで、ビジネス拡大に弾みをつける。(安藤章司)

エーティーワークスの高瀬由照本部長(左)とキヤノンITSの崎山秀文部長