キヤノンITソリューションズ(キヤノンITS、神森晶久社長)が販売するセキュリティ対策ソフト「ESETセキュリティ ソフトウェア シリーズ(ESET)」の売れ行きが好調だ。コモディティ化が進むセキュリティ対策ソフト市場のなかにありながら、「2015年のESET法人向け製品の売上高は、前年比で二ケタ成長を遂げている」(山本昇・プロダクトソリューション事業本部プロダクト企画センターセンター長)と、販売実績は大きく伸長。主に、動作の軽さとウイルス検知力の高さがユーザーに好評だという。

山本 昇
プロダクト
ソリューション事業本部
プロダクト企画センター
センター長
 キヤノンITSは、スロバキアのESETが開発したESET製品の国内総販売代理店として、03年から国内市場向けに製品を展開。個人向けパッケージ製品の販売に始まり、11年、国内法人市場に本格参入した。大手セキュリティソフトベンダーが大手企業をメインターゲットとしているなかで、同社は、中小企業や病院、教育機関などの特定業種端末向けのサービスで存在感を発揮している。

 また、最近はクラウド環境への対応に力を入れている。外部ベンダーのクラウド環境と相互検証し、オンプレミスと同様の性能を発揮できる製品の提供を進めており、「ビジネスの幅が広がってきている」(同)と確かな手ごたえを感じている様子だ。

 ユーザーから定評のある性能面では、近年注目を集める「ヒューリスティック(ふるまい検知)」技術を20年以上前より搭載。「シグネチャがなくても高確率で検知できる」。昨年3月には、クオリティソフトとテクニカルパートナー契約を結び、ESETとクオリティソフトのIT資産管理ツール「QND」を技術連携させると発表。12月にはインターネットバンキングの不正送金対策機能を強化した新バージョンプログラムの提供を発表し、ユーザーの満足度向上に向けた取り組みを加速させている。

 今後は、2年前から力を入れている大企業向けにも、より積極的にESETの導入を促していく考えだ。セキュリティ対策ソフトを新規導入する見込みが薄い大企業に対しては、ESETの性能と大企業向けサポート体制をアピールしていく方針だ。また、山本センター長は、好調な販売実績とは裏腹に、「まだESETのよさを伝えきれていない」との課題を感じているといい、最新のセキュリティトレンドだけでなく、ESET製品の魅力についての情報発信も強化していく考えを示した。(前田幸慧)